【国語】おくの細道

今回は『おくの細道』を分かりやすく解説していきます。

授業や定期テストの対策にご活用ください!

 

「松尾芭蕉」という言葉は、国語や社会で一度は聞いたことがありませんか?

そんな俳句で有名な彼が書いた、おくの細道という作品を紹介します!

1.おくの細道とは

さて早速ですが、今回の題材である『おくの細道』を見ていきましょう!

皆さん「俳句」はご存知ですか?

松尾芭蕉が詠んだ俳句をまとめたのが今回の作品です。

彼は各地を旅するなかでの思いを俳句で詠んでいます。

では、特徴をまとめたので、確認してください!

 

◎基本の暗記

  • 作品名:おくの細道
  • 作者:松尾芭蕉
  • ジャンル:紀行文
  • 成立時代:江戸前期

 

【松尾芭蕉・旅の道】

  • 旅路:江戸から東北をへて、大垣(岐阜)へ
  • 期間:約150日間
  • 道のり:約2400㎞
  • お供:曽良

 

旅をしていく中で、俳句を詠み、当時の情緒や情景も一緒にまとめた紀行文です。

各地での俳句を一つずつ解説していきます!

2.月日は百代の過客にして 「草の戸も」

ここからは各場面に区切って、おくの細道の解説をしていきたいと思います。

 

歴史的仮名遣い

月日は百代過客にして、行きかふ年も、また旅人なり。

 

舟の上に生涯を浮かべ、馬の口にとらへて老いをむかふる者は、

日々旅にして旅をすみかとす。

古人も多く旅に死せるあり。

 

もいづれかの年よりか、

片雲の風に誘はれて

漂泊の思ひやまず、

海浜にさすらへて、去年の秋、

江上の破屋に

蜘蛛の古巣をはらひて、

やや年も暮れ、

「春たてる霞の空に、

白河の関越えむ」と、

そぞろ神の物につきて心をくるはせ、

道祖神の招きにあひて、

取るもの手につかず。

 

もも引の破れをつづり、

笠の緒付けかへて、三里に、灸すゆるより、

松島の月まづ心にかかりて、

住める方は人に譲りて、

杉風が別墅に移るに、

 

草の戸も

住み替はる代ぞ

雛の家

 

面八句を庵の柱に懸け置く。

 

現代仮名遣い

月日は百代の過客にして、行きこう年も、また旅人なり。

 

舟の上に生涯を浮かべ、馬の口にとらて老いをむこうる者は、

日々旅にして旅をすみかとす。

古人も多く旅に死せるあり。

 

予もいれかの年よりか、

片雲の風に誘われて

漂泊の思やまず、

海浜にさすらて、去年の秋、

江上の破屋に

蜘蛛の古巣をはらて、

やや年も暮れ、

「春たてる霞の空に、

白河の関越え」と、

そぞろ神の物につきて心をくるせ、

道祖神の招きにあて、

取るもの手につかず。

 

もも引の破れをつづり、

笠の緒付けかて、三里に、灸すゆるより、

松島の月ま心にかかりて、

 住める方は人に譲りて、

杉風が別墅に移るに、

 

草の戸も

住み替る代ぞ

雛の家

 

面八句を庵の柱に懸け置く。

 

現代語訳

月日は永遠旅人であり、過ぎてはやって来る年も、また、旅人である。

 

舟の上で一生を送り、馬のくつわを持って老いていく人は、毎日が旅であり、旅を家としている。詩人にも多く、旅の中で死んだ者がいる。

 

もいつの頃からか、

ちぎれ雲が風に誘われて(流れるように)、

旅に出たいという思う気持ちが止まらず、

海浜をさすらって、去年の秋、

川のほとりの粗末な小屋に(帰って)、

クモの巣の古いのを払って、

やがて年も暮れ、

「立春の霞の立つ空のもと、

白河の関を越えたい」と思い、

そぞろ神が取りついて心を乱して、

道祖神の招きにあって、

取るものも手につかない。

 

もも引きの破れも縫い直して、

笠のひもを付け替えて、にお灸をすえていると、

松島の月のことがまず心に浮かんで、

住んでいた方の家は人に譲って、

杉風の別荘(私は)移って、 

 

自分の家も、

住む人がかわっているよ。

今は雛人形が飾ってある。

 

俳句の書いた紙を、家の柱にかけおいた。


この場面での俳句

草の戸も  住み替はる代  の家

 

【意訳】

自分の粗末な小屋だったところも、

住む人が変わって時代変わりしている。

今は華やかに、ひな人形が飾ってあり、大きく変わったなあ。

 

【季語】

雛:春の季語

 

【切れ字】

3.奥州藤原氏 「夏草や」

歴史的仮名遣い

三代の栄耀、一睡のうちにして、

大門の跡は一里こなたにあり。

秀衡が跡は田野になりて、

金鶏山のみ形を残す。

 

まづ、高館にのぼれば、

北上川

南部より流るる大河なり。

衣川は、和泉が城をめぐりて、

高館の下にて大河に落ち入る。

 

泰衡らが旧跡は、

衣が関を隔てて、

南部口をさしかため、

蝦夷を防ぐと見えたり。

さても義臣すぐってこの城にこもり、

功名一時の叢となる。

 

「国破れて山河あり、

城春にして草青みたり」と、

笠うち敷きて、時の移るまで

涙を落とし侍りぬ。

 

夏草や

兵どもが

夢の跡

 

(芭蕉)

 

卯の花に

兼房見ゆる

白毛かな

 

(曽良)

 

現代仮名遣い

三代の栄耀、一睡のうちにして、

大門の跡は一里こなたにあり。

秀衡が跡は田野になりて、

金鶏山のみ形を残す。

 

、高館にのぼれば、

北上川

南部より流るる大河なり。

衣川は、和泉が城をめぐりて、

高館の下にて大河に落ち入る。

 

泰衡らが旧跡は、

衣が関を隔てて、

南部口をさしかため、

蝦夷を防ぐと見えたり。

さても義臣すぐってこの城にこもり、

功名一時の叢となる。

 

「国破れて山河あり、

城春にして草青みたり」と、

笠うち敷きて、時の移るまで

涙を落とし侍りぬ。

 

 

夏草や

兵どもが

夢の跡

 

(芭蕉)

 

卯の花に

兼房見ゆる

白毛かな

 

(曽良)

 

現代語訳

三代の栄華は、一睡のうちに崩れ、

大門の跡は約4㎞こちら側にある。

秀衡の屋敷の跡は田んぼになって、

金鶏山だけが形を残している。

 

まず、高館に登ると、

北上川(が見える)。

南部から流れる大河だ。

衣川は、和泉が城を巡って流れ、

高館のもとで、大河に合流している。

 

泰衡たちの元住居の跡は、

衣が関を隔てたところにあり、

南の出入り口を固めており、

蝦夷の侵入を防いでいたと見える。

それにしても、義経は家臣を選りすぐってこの城にこもって、

功名は一時的なもので、今は草むらとなっている。

 

「戦いで国は壊れたが、山河はそのままあり、

「城の町にも春が来て、草は青々としている」と言って、

笠を地面に敷いて、時がたつまで

(しばらくの間)涙を落していた。

 

この夏草は、

武人たちの戦った場所である。

昔の華やかさは一時の夢となって消えて、跡が残るだけである。

(芭蕉)

 

卯の花に、

あの兼房を見ているようだ、

どちらも「白い」からだ

(曽良)


この場面での俳句

夏草や  兵どもが  夢の跡

 【季語】

夏草:夏の季語

【切れ字】

 

卯の花に  兼房見ゆる  白毛かな

 【季語】

卯の花:夏の季語

【切れ字】

かな

この場面でのポイント

「国破れて山河あり、城春にして草青みたり」

 

これは、杜甫 の作品である『春望 』の引用です。

杜甫が詠んだその情景と強く似ているものを感じたのです。しっかり覚えておきましょう!

4.光堂 「五月雨の」

歴史的仮名遣い

かねて耳驚かしたる二堂開帳す。

経堂は三将の像を残し、

光堂は三代の棺を納め、

三尊の仏を安置す。

 

七宝散り失せて、

玉の扉風に破れ、

金の柱霜雪に朽ちて、

すでに頽廃

空虚の叢となるべきを、

四面新たに囲みて、

甍を覆ひて風雨をしのぎ、

しばらく千歳の記念とはなれり。

 

 

五月雨の

降りのこしてや

光堂

 

 

現代仮名遣い

かねて耳驚かしたる二堂開帳す。

経堂は三将の像を残し、

光堂は三代の棺を納め、

三尊の仏を安置す。

 

七宝散り失せて、

玉の扉風に破れ、

金の柱霜雪に朽ちて、

すでに頽廃

空虚の叢となるべきを、

四面新たに囲みて、

甍を覆て風雨をしのぎ、

しばらく千歳の記念とはなれり。

 

 五月雨の

降りのこしてや

光堂

 

 

 

現代語訳

かねてから聞いて驚いていた二堂が開いていた。

経堂には三人の像が残り、

光堂には三人の棺桶が納められ、

三体の仏像を安置している。

 

七宝は散りなくなって、

宝石の扉は風によって壊れ、

金色の柱は霜や雪によって崩れ、

もう少しで崩れ荒れて

むなしい草むらになるはずのところを、

(光堂の)四方を新たに囲んで、

(屋根は)瓦で覆って風雨を防ぎ、

しばらくは長い年月の記念物となっている。

 

五月雨が

ここだけ降らなかったのだろうか。

光堂のところには。

 


この場面での俳句

五月雨の  降りのこしてや  光堂

 

【季語】

五月雨:夏の季語

【切れ字】

5.立石寺 「閑かさや」

歴史的仮名遣い

山形領に立石寺といふ山寺あり。

慈覚大師の開基にして、

ことに清閑の地なり。

 

一見すべきよし、

人々のすすむるによりて、

尾花沢よりとって返し、

その間七里ばかりなり。

 

日いまだ暮れず。

ふもとの坊に宿借り置きて、

山上の堂にのぼる。

 

岩に巌を重ねて山とし、

松柏年ふり土石老いて、

苔滑らかに、

岩上の院々扉を閉ぢて、

物の音聞こえず。

 

岸をめぐり岩を這ひて、

仏閣を拝し、佳景寂幕として、

心澄み行くのみおぼゆ。

 

閑かさや

岩にしみ入る

 

蝉の声

 

現代仮名遣い

山形領に立石寺とい山寺あり。

慈覚大師の開基にして、

ことに清閑の地なり。

 

一見すべきよし、

人々のすすむるによりて、

尾花沢よりとって返し、

その間七里ばかりなり。

 

日いまだ暮れず。

ふもとの坊に宿借り置きて、

山上の堂にのぼる。

 

岩に巌を重ねて山とし、

松柏年ふり土石老いて、

苔滑らかに、

岩上の院々扉を閉じて、

物の音聞こえず。

 

岸をめぐり岩を這いて、

仏閣を拝し、佳景寂幕として、

心澄み行くのみおぼゆ。

 

閑かさや

岩にしみ入る

 

蝉の声

 

現代語訳

山形の領内に立石寺という山寺がある。

慈覚大師が開いた寺で、

特に清らかで静かな場所である。

 

一目見た方いいとのこと、

人々がすすめるので、

尾花沢から引き返してきたが、

その間訳27㎞ほどである。

 

日はまだ暮れていない。

山のふもとの泊る所に宿を借りて、

山上にある堂に登る。

 

岩に大きな岩が重なって山となり、

松やヒノキの木は年を取り、土と石は老いて、

コケは滑らかで、

岩の上の沢山の寺院は扉を閉じていて、

物音も聞こえない。

 

崖のふちをまわり岩をはって進み、

仏閣を拝むと、良い景色は静まり返り、

心が澄んでいくようにばかり感じられる。

 

静かだなあ。

岩にしみこむような、

 

蝉の声だけが響いている。

 


この場面での俳句

閑かさや  岩にしみ入る  の声

 【季語】

蝉:夏の季語

 

【切れ字】

これで『おくの細道』についての解説は終わりです!

様々な情景を詠んだ俳句がでてきましたね。

 

ここからは、俳句や短歌という詩の形式自体について解説していきます。

6.短歌と俳句

単語の確認

 

俳句

  • 一番短い定型
  • 5・7・5
  • 季語と切れ字を入れる必要がある
  • 芭蕉は、「発句」の芸術性を高め、独立した短詩形として成立させた第一人者
  • 発句はのちに正岡子規によって、俳句と呼ばれるようになる

 

短歌

  • 5・7・5・7・7
  • 5・7・5までを上の句という
  • 7・7を下の句という

  

連歌(れんが

  • 2人以上の人が、和歌の、上の句と下の句とを互いによみ合って、続けて行く形式の歌
  • 5・7・5 → 7・7 → 5・7・5 → 7・7 と続く

 

成り立ち

連歌の初期のテーマ

・自然の美しさ

・感動する気持ち

・恋愛

 

以前まで連歌は、テーマも形式も決まり切っていたものだった。

そこで、もっと自由に、面白く連歌をしたい!と考えた

俳諧の連歌が誕生

 

俳諧

  • 正統の連歌から分岐して、遊戯性を高めた集団文芸
  • 発句や連句といった形式の総称である

  

 また、川柳も生まれた。

川柳

  • 俳句と同じ5・7・5
  • 面白さをテーマとする
  • 季語などの決まりなし

 

 

季語

先ほどから、俳句には季語が必要だと言ってきましたが、季語とは何でしょうか。

それを解説していきます。

 

季語

  • 俳句の中にある、季節を示す単語
  • 単語が示す季節は決まっている(現在とはずれがあるので注意しましょう!)

 

  

 【季語の時期と例】

季節

古文での期間

1・2・3月 4・5・6月 7・8・9月 10・11・12月
季語の例

 

  • うぐいす

 

 

  • 五月雨
  • 卯の花
  • 夏草
  • ほととぎす
  • 若葉

 

 

  • 天の川
  • 朝顔
  • 月見
  • とんぼ
  • 紅葉

 

 

  • 落ち葉
  • かれ葉
  • さざんか
  • ねぎ

 

季語と季節はテストに頻出なので必ず覚えましょう!

切れ字

 

切れ字

  • 俳句の中にある、「や」「かな」「ぞ」「けり」といった特徴的な単語

  • 俳句のリズムの調子を整える

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

他にも様々なお役立ち情報をご紹介しているので、ぜひご参考にしてください。

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