姫路市の進める小中一貫教育

この記事は以下のサイトを参考にしています。

https://www.city.himeji.lg.jp/bousai/cmsfiles/contents/0000003/3853/20195913353.pdf

姫路市は姫路市教育振興基本計画に基づいて、お子さんを取り巻く生活環境の変化や、身体の発達の加速傾向などから生じる、不要な段差による諸問題の解消に向けて、平成20年12月に小中一貫教育を進め始めました。
今回は姫路市の定義する小中一貫教育について紹介をしていきたいと思います。

目次

姫路市の小中共通の教育目標

小中共通の教育目標と目指す子供像

小中共通の教育目標とは、そのブロックで教育実践を行う上での方向性やビジョンを示すものです。そして、中学校の学校教育目標も小中共通の教育目標も義務教育終了時を想定したものであることから、両者は一致していることが望ましいです。また、小学校の学校教育の目標は義務教育修了の3年前を想定したものになります。小中一貫教育を推進する上で大切なのは、中学校の学校教育目標と小学校の学校教育目標がお子さんの育ちを見据えた同一線上にあるということ。そして、小中共通の教育目標はそれに重なるものであるべきだと考えています。
小中共通の教育目標の実現に向けて、単年、もしくはある期間(前期・中期・後期など)で区切った目指す子供像を設定し、それらをつないでいく必要があります。そしてその目的を達成するために、日ごろの授業や日常的な声掛けを実践しています。

キャリア教育の視点

姫路市の小中一貫教育が目指しているものは、「学力の向上」と「人間関係力の育成」です。「学力」や「人間関係力」の中で特に重視する内容については、それぞれのブロックの実態、それぞれの学校の子どもの実態や発達段階によって変わってきます。
姫路市が「学力の向上」と「人間関係力の育成」を小中一貫教育の目標と中心に据えている理由は、一人ひとりのお子さんに、将来における社会的・職業的自立に向けた必要な能力や態度を身につけさせたいからです。小中一貫教育が担う義務教育期間は、お子さんたちの人格形成に大きく影響を与える時期であり、その出口は、社会への入り口でもあります。人は、他者や社会との関わりの中で様々な役割を担いながら生きています。そこで、お子さんたちが生涯を見据えて学ぶ意義や目的を見出し、夢や目標を持ち、具体の計画を立て、それに向かって進んでいく力を養うなどして、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実践していくための「学力」や「人間関係力」を培う必要があります。

子どもたちにとって必要な基盤となる能力や態度

人間関係形成・社会形成能力

多様な他者の考えや立場を理解し、相手の意見を聴いて自分の考えを正確に伝えることができるとともに、自分の置かれている状況を受け止め、役割を果たしつつ他者と協力・協働して社会に参画し、今後の社会を積極的に形成することができる力。

自己理解・自己管理能力

自分が「できること」「意義を感じること」「したいこと」について、社会との相互関係を保ちつつ、今後の自分自身の可能性を含めた肯定的な理解に基づき主体的に行動すると同時に、自らの思考や感情を律し、かつ、今後の成長のために進んで学ぼうとする力。

課題対応能力

仕事をする上での様々な課題を発見・分析し、適切な計画を立ててその課題を処理し、解決することができる力。

キャリアプランニング能力

「働くこと」の意義を理解し、自らの果たすべき様々な立場や役割との関連を踏まえて「働くこと」を位置づけ、多様な生き方に関する様々な情報を適切に取捨選択・活用しながら、自ら主体的に判断してキャリアを形成していく力。

9年間を見通した一貫した指導

姫路市小中一貫教育標準カリキュラム、姫路市小中一貫教育つながりカリキュラムを活用した取り組み

姫路市は、小学校と中学校における6・3制の教育制度の中で教育を行っています。義務教育学校においても、それぞれ小学校学習指導要領と中学校学習指導要領を準用した指導を行っています。そして、6・3制の教育制度の中でも、義務教育9年間のお子さんの発達障害を重視したうえで、指導区分を前期4年、中期3年、後期2年にし、学習の系統性や連続性を保証する取り組みを進めてきました。その考え方に基づいて作成されたのが、姫路市小中一貫教育標準カリキュラムです。
姫路市小中一貫教育つながりカリキュラムは、資質・能力を視点に子供の学びの適時性と連続性を整理したものです。今後は、姫路市小中一貫教育つながりカリキュラムに示す資質・能力の育成に向けた実践授業例やカリキュラムのモデルプランを基に、各ブロックの実態に応じた「35ブロック35通り」の9年間を貫く特色あるカリキュラム作りを推進します。

「学力の向上」と「人間関係力の育成」を図るための9年間を貫く取り組み

”小中教職員の協働””保護者・地域住民との協働”を根底として、小中一貫教育の目標を支えるものは、目標達成に向けた具体的な取り組みです。「学力の向上」や「人間関係力の育成」を図るために、教科や領域を中心としたすべての教育活動の中で、9年間を貫く指導を行うことは当然のことです。それぞれの教育課題について小中教職員が協働して具体的な計画を立て、「地道」に「丁寧」に取り組みを進めていく必要があります。これが、適時性・連続性を考慮して、9年間を見通した指導内容・指導方法・指導形態を一貫してつないでいく作業です。
そして、その実践には「各教科等及び総合的な学習の時間で身につけた資質・能力を相互に関連付け、学習や生活に生かし、総合的に働くようにすること」と新学習指導要領の中で示されている「総合的な学習の時間」の活用が現実的には有効であると考えられます。平成29年度に実施した全国学力・学習状況調査の結果からも、「総合的な学習の時間」の趣旨に基づいた活動に取り組んでいる児童生徒ほど、平均正答率が高いことがわかっています。
これらの、9年間を見通した一貫した指導を、小中学校の教職員の協働によって行うことが姫路市の進めていく中高一貫教育です。

姫路市の小中教職員・保護者・地域住民による協働実践

小中教職員の協働

小中教職員の協働なくして、小中一貫教育は始まりません。小中一貫教育の推進に当たり、最初の壁は、小学校と中学校の教職員の意識がうまくつながっていないことでした。この壁は、それぞれの学校に通う児童生徒の発達段階の違いと、長い年月を経て培われてきた学校文化の違いなどによるものでした。
そこで、各ブロックでは、小中一貫教育推進委員会や実行組織としての各部会を設置するなどしています。そこで、目的を持った計画的、組織的、継続的な取り組みについて協議し、実施していくことが大切です。このような取り組みを重ねてきた結果、目指す子供像の実現に向けて、教職員の意識がつながってきたそうです。これからは15歳の子供像を共有することに加え、「どの学年において何ができるようになるか」という9年間を貫くカリキュラムを共有することが、積み上げてきた日常的な取り組みをより発展させるために必要です。

保護者、地域住民との協働

姫路市の進める小中一貫教育は、原則として中学校ブロックを単位としています。いわゆる地域を核とした取り組みです。
地域には、保護者を含めた人材(ひと)、世界文化遺産姫路城をはじめとする史跡や地域特有の環境(もの)、そして、祭りなどの伝統行事や伝統文化(こと)が豊富にあり、これらが姫路市の強みと言えます。ひと・もの・ことをお子さんたちの社会的・職業的自立に向けた教育活動に結び付ける取り組みは、小中一貫教育で目指す「学力の向上」や「人間関係力の育成」の土台となるべき教育活動です。
今後の小中一貫教育の推進に当たっては、保護者や地域住民の声を大切にしながらビジョン・目標を共有し、地域一体となって子供たちを育む「地域とともにある学校」へ転換を図ることが重要です。このような観点から姫路市では、義務教育学校と義務教育学校への移行を検討しているブロックをコミュティ・スクールとしました。
コミュニティ・スクールとは「学校運営協議会」を設置した学校のことです。学校運営協議会は、保護者、地域住民が主体的に学校運営に参画し、教職員と共に地域で育てる子供の姿を共有して、その実現に向けて協働するための組織です。また、姫路市では市立の全学校園に学校評議員制度を導入し、学校園への支援体制を整え、地域との協働を進めています。
学校運営協議会や学校評議員との定期的な会合を通じて、地域住民とも教育上の課題を共有するとともに、地域の思いや願いを把握し、新たな学校づくりに生かしていくことが考えられます。中学校ブロックにおいて、教職員の協働体制の構築が進んだ今、地域住民や保護者がブロックを信頼し、課題を共有し、ブロックを支援する協働体制の構築を目指しています。

姫路市で勉強に困っている保護者さま・お子さんへ

今回は姫路市の進める小中一貫教育についてまとめてきました。姫路市が義務教育機関の9年間で目標を掲げながら地域との連携を図っていることが分かりました。

家庭教師のやる気アシストは姫路市で「定期テストや入試・受験対策に強い」家庭教師として、小学1年生から高校3年生のお子さんを対象に、ご自宅に伺い勉強の指導を行っています。
少しでも興味を持って下さった方はこのページをご覧いただけますと幸いです。

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