奈良市の学校規模適正化による教育環境づくり

この記事は以下のサイトを参考にしています。

https://www.city.nara.lg.jp/uploaded/attachment/17304.pdf
https://www.city.nara.lg.jp/uploaded/attachment/145111.pdf

近年少子化が進み、奈良市でも児童生徒数の減少・小中学校の規模の縮小が問題視されています。国からは学校規模適正化の手引きが示され、全国各地で少子化に対応した学校づくりが行われようとしています。
今回は、奈良市で取り組んでいる学校規模適正化による教育環境づくりについて紹介します。

目次

奈良市が抱える児童生徒数減少の問題

子どもの数と現状

奈良市の児童生徒数は1980年にピークを迎え、約5万人ほどの生徒がいました。しかし現在はその約半数にまで減少しており、今後も減少が続くと見込まれています。一方、学校数はあまり変化がなく、多くの学校が小規模化しています。そこで、子どもたちが多くの仲間と学びあえる教育環境をつくるため、学校規模の適正化を行っています。

学校の小規模化・大規模化に伴う問題点について

小規模校のメリット・デメリット

児童生徒・教員・保護者を含めて互いの結びつきが深くなり、児童生徒の個性や能力に応じた丁寧な指導や家庭的な人間関係を形成しやすいというメリットがあります。
しかし、少人数であるがゆえに、人間関係や互いの評価が固定されやすく、いじめなどの問題が生じた場合に影響が残りやすいという問題点があります。また、学習面においても学習意欲や競争心に問題が生じやすいことや、選択教科や部活動などで選択肢の幅が狭いなどのデメリットもあります。
小中学校長を対象に実施したアンケートからは、小学校でクラス替えがなく6年間を通して同じ学級であった場合、互いに依存関係の強い人間関係が生じてしまい、多様な考えや行動に触れる機会が少なく、それに伴う様々な問題が子どもだけでなく保護者にも広まっていくという意見がありました。
また、学校運営の面においても、教員の配置数が少なく、様々な面で教員に多少無理がかかってしまい、教育を受ける子どもたちにも影響が出る可能性があります。

大規模校のメリット・デメリット

多様なクラス替えができることによって新たな価値観や人間関係の形成に寄与し、学習意欲や競争心を活発にするなどのメリットがあります。また、中学校では選択教科や部活動などでの選択肢が広がるなど、ちょうど小規模校のデメリットとは裏腹な関係でメリットがあげられます。
しかし、その反面として、学校としての一体感を保ちづらいことや、施設利用に制約が生じるなどのデメリットがあげられます。特に、生活や進路などに関する生徒指導の面で個々の生徒の状況に応じた対応が求められる中学校では、十分に目が行き届きづらいという意見がありました。

以上のことから、小規模校・大規模校それぞれのメリット・デメリットについて考慮した場合、やはり、一定の規模を超えて規模化や大規模化が進んだ場合にはデメリットとしての影響のほうが大きいと考えられます。したがって、子どもたちにとって望ましい教育環境を提供するためには一定の学校規模を確保する必要があります。

望ましい学級規模

適正な学校規模を構成する要素として重要な点は、適切なクラス替えが可能であるということです。クラス替えを通じて様々な新しい人間関係が生じ、そこから多様な価値観や学習意欲、競争心が生まれるなど、単学級による弊害を除くことが可能となります。また、クラブ活動での選択肢の確保、学校行事における学級ごとの取組など、集団としての教育面を考慮した場合、小学校では1学年に2~3学級あることが望ましいと考えられます。
教員側も、1学年に複数学級あることは教員相互の研修が可能となり、互いに切磋琢磨できることや校務分掌の分担という面からメリットがあります。

中学校では、教科担任制であることから、各教科複数の教員配置が可能な学級数が一つの目安と考えられます。特に、同一学年で同一教科は一人の教員が担当することが望ましいと考えられます。
しかし、学校規模が過大となることによっても様々なデメリットが想定され、学級数の増加によって学校への帰属意識や連帯感の維持、特別教室や体育館等の施設利用などの面で支障が生じることのない学校規模とする必要があります。特に、中学校においては、学習面だけでなく、部活動の選択肢の確保や生活や進路などに関する生徒指導の面でも十分に対応できる学校規模であることが重要です。中学校では1学年に3~6学級あることが望ましいと考えられます。

奈良市の小中学校統合再編

学校規模の適正化は、学校の適正配置と適正規模を維持することにより、教育環境を整える事業です。また、施設一体型の小中一貫教育を行うなど様々な方法でより良い教育環境づくりを行っています。
適正化の手法としては、複数の学校を統合する「統合再編」と、豊かな自然環境に恵まれた小規模の学校で、住所変更をすることなく通学区域外からの就学を認める「特認校制度」の導入があります。
ここでは、統合再編の導入によって開校した新しい学校をいくつかピックアップします。

奈良市立都祁小学校

奈良市立都祁小学校は2017年4月に開校された新しい小学校です。
開校まで学校規模適正化検討協議会等を定期的に開催し、保護者や地域の方、学校関係者と校舎改修、学校名・校歌・校章などについて話し合いました。

2014年~2015年学校規模適正化
検討協議会を設置(以降、定期的に開催)
2016年6月交流学習(1回目)
2016年10月学校名決定
2016年11月交流学習(2回目)
2016年12月校章・校歌決定
2017年4月開校
都祁小学校開校までの歩み

奈良市立ならやま小中学校

奈良市立ならやま小中学校は2022年4月に開校された新しい小中一貫学校です。
ならやま小中学校では、小学生と中学生を1年生~9年生として呼びます。
また、義務教育9年間を教育活動の進め方に合わせて、「4-3-2」の3つのステージに分け、9年間を見通した教育を進めるステージ制を導入しています。

第1ステージ(1年生~4年生)

第1ステージでは、学びの基礎を習得し、基本的な生活習慣を身につけます。

第2ステージ(5年生~7年生)

第2ステージでは、学びを深め、自分の可能性をひろげます。
また、5・6年生を中心に、英語や理科などの科目において教科担任制を実施します。

第3ステージ(8年生~9年生)

第3ステージでは、自分を知り、将来の夢の実現に向け自ら行動します。

家庭教師のやる気アシストも奈良市のお子さんの成長をサポートします

今回は、奈良市の取り組む学校規模適正化による教育環境づくりについて紹介しました。
子どもたち一人ひとりの能力を伸ばしていくためには、学校規模がかなり重要であることが分かりました。

家庭教師のやる気アシストは奈良市で「定期テストや入試・受験対策に強い」家庭教師として、小学1年生から高校3年生のお子さんを対象に、ご自宅に伺い勉強の指導を行っています。
少しでも興味を持って下さった方はこのページをご覧いただけますと幸いです。

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