【地学】地震の大きさと速度計算

前回は

  • 地震ってどうやって(どうして)発生しているのか
  • 地震の揺れの種類

について勉強していきました。

今回は

  • 地震の大きさ(マグニチュードと震度)
  • 速度計算問題

を勉強していきましょう!

 

特に速度の計算問題は定期テストはもちろん、入試問題にも頻出です。

ここでしっかり押さえていきましょう!

 前回の記事「【理科】地震のメカニズムと揺れの種類」はこちら

地震の大きさの表し方

地震の大きさを表す方法として、主に2つが使われています。テレビの地震速報でもこれから紹介する2つは見たことがあると思います。

マグニチュード(M)

マグニチュードは地震そのものの大きさを表す単位です。数が大きくなればなるほど、より地震の規模が大きくなったことを表します。

マグニチュードが1変わると、その地震の規模は約32倍大きくなります。

マグニチュード

地震名 起こった年
9.5 チリ地震 1960年
9.2 アラスカ地震 1964年
9.1 アリューシャン地震 1957年
9.0 東日本大震災 2011年
9.0 スマトラ島沖地震 2004年

震度

震度は地震の揺れの大きさを表す単位です。以下の図のように10段階で表されます。
東日本大震災の時には最大震度の7が観測されたそうです。

 

よく出題されますが、最低震度が0、最高震度が7なので注意してください!

震度

人の体感・行動
震度0 人は揺れを感じないが、地震計には記録される。
震度1  屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに感じる人がいる。 
震度2  屋内で静かにしている人の大半が、揺れを感じる。眠っている人の中には、目を覚ます人もいる。 
震度3  屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。歩いている人の中には、揺れを感じる人もいる。眠っている人の大半が、目を覚ます。
震度4  ほとんどの人が驚く。歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。眠っている人のほとんどが、目を覚ます。

震度5弱

 大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。

震度5強

 大半の人が、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。

震度6弱

 立っていることが困難になる。

震度6強

 揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。

震度7

 立っていることができず、はわないと動くことができない。

【コラム】なぜ震度は7までの10段階なの?

震度は地震計が測定した揺れの大きさを元に0~7で表されます。震度7は地球の重力加速度とほぼ同じくらい大きさです。
その為、震度8を記録する揺れとなると重力加速度の6倍!の大きさを観測することになるので、実際には起こりえないだろうと言われています。

また、震度を定めているのは気象庁なので日本のみの尺度です。目的としては地震の大きさが人の体感・行動にどれほどの影響を与えるのかを客観的に定める為です。

なので、震度5と6は、地震計が同じ値を示しても人間に及ぼした被害や影響を考慮して「強と弱」のどちらかで表されるようになっているそうです。

地震の速度計算問題の解き方と例題

それでは、今回のメイン:速度問題の解説をしていきたいと思います。大事になってくるポイントは大きく3つあります。

P波とS波、初期微動継続時間をしっかり理解しておくこと。
こちらは前回の記事で詳しく載せています。不安だなぁという方はご覧ください。

②P波とS波は発生する時間は同じであるということ。
これに関しては、当然ですね。地震は発生してからPとSに分かれるので発生源は1か所です。地震が発生する場所のことを「震源」と呼びます。

初期微動継続時間震源からの距離に比例すること。
例えば震源からの距離が30kmの場所で初期微動継続時間が30秒だった時、距離が60kmの場所では倍の60秒になります。
ここでのポイントは震源からの距離が遠くなるほど、初期微動継続時間は長くなることです。
これもP波とS波が一定の速度で進むことを考えると当然と言えます。

 

それでは早速問題を見てみましょう!

 

 前回の記事「【理科】地震のメカニズムと揺れの種類」はこちら

例題

ある場所で地震が発生し、震源からの距離がそれぞれ60km、120km、200kmの地点で初期微動が始まった時刻と、主要動が発生した時刻を記録したところ
60km地点では初期微動が11時00分15秒、主要動が11時00分25秒
120km地点では初期微動が11時00分25秒、主要動が11時00分45秒
240km地点では初期微動が11時00分45秒、主要動は不備があり計測が出来なかった
この時以下の問いに答えよ。

Q1.S波の速さを求めよ。
Q2.地震の発生時刻はいつか。
Q3.240km地点での主要動の発生時刻はいつか。

解説

Q1.S波の速さ
S波は主要動を引き起こす原因となる波なので、60km地点と、120km地点での主要動の時間に注目しましょう。
60km地点では11時00分25秒、120km地点では11時00分45秒
つまり、S波は60kmの道のりを20秒で進んだことになります。
これらより、速度は道のり÷時間で求められるので、S波の速さは60(km)÷20(秒)=3(km/秒)となります。


Q2.地震の発生時刻
やり方はQ1の答えを利用する場合と、P波の速さから求める場合の2通りがあります。

まずは、後者で、確かめとして前者を利用して解いていきましょう。
P波は初期微動を引き起こす原因となる波なので、60km地点と、120km地点での初期微動の時間に注目しましょう。
60km地点では11時00分15秒、120km地点では11時00分25秒
つまり、P波は60kmの道のりを10秒で進んだことになります。
これらより、P波の速さは60(km)÷10(秒)=6(km/秒)となります。

このP波が60km進むために要する時間は60(km)÷6(km/秒)=10(秒)です。
発生時刻は0km地点の話なので60km地点の時間から10秒を引いた
11時00分05秒が発生時刻となります。

 

それでは、前者で合っているか確かめをしていきましょう。
Q1の答えよりS波の速さは3km/秒です。
このS波が60km進むために要する時間は60(km)÷3(km/秒)=20(秒)です。

発生時刻は0km地点の話なので60km地点の時間から20秒を引いた
11時00分05秒が発生時刻となります。大丈夫そうですね。
これにより、P波もS波も発生する時間が同じということが証明されました


Q3.240km地点での主要動の発生時刻
こちらもQ1の答えを利用する場合と、初期微動継続時間に注目するやり方があります。
前問と同じように、まず後者で、その後前者で確かめをしていきましょう。

まず、初期微動継続時間は震源からの距離に比例することを利用します。
60km地点に注目すると、P波が到着してから、S波が到着するまでの時間が初期微動継続時間になるので、
11時00分25秒-11時00分15秒=10秒となるので、60km時点での初期微動継続時間は10秒です。
求めたい240km地点は60km地点の4倍なので、初期微動継続時間も4倍となるはずです。
これらにより、10(秒)×4=40(秒)が240km時点での初期微動継続時間です。
よって、主要動を引き起こすS波が到着する時刻はP波が到着した11時00分45秒の40秒後、11時01分25秒となります。

さて、確かめをしていきましょう。
Q1よりS波の速さは3km/秒なので、120km地点から120km離れた240km地点に着くまでにかかる時間は
120(km)÷3(km/秒)=40(秒)なので、120km地点の11時00分45秒から40秒進んだ、11時01分25秒となります。

いかがでしたでしょうか?

一見難しい地震の速さの問題も、3つのポイントを押さえれば、小学生の算数の力だけで解くことができます。
是非チャレンジしてみてください!!

最後までお読みいただきありがとうございました。

他にも様々なお役立ち情報をご紹介しているので、ぜひご参考にしてください。

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【定期テストについてのお役立ち情報】

 

地震では地表が揺れて建物が倒壊したり、地割れが発生したり、津波と呼ばれる海から陸への水の流れを発生させたりします。

ここ30年の間でも、阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめとした多くの大地震が発生していますし、小さい地震は日本中で毎日起こっています。

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今回は地学の分野の中でも入試で取り扱われることが多い、地層の分野について解説していきます。

地面を掘って、その様子から当時の歴史の風を感じる事が出来るのは浪漫ですよね。

地層だけでなく、化石などにも触れながら幅広く取り扱っていきます。

少しでも定期テストなどのお役に立てると嬉しいです。

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