






静岡県の2023年3月実施の令和5年度(2023年度)入学者の公立高校入試問題の解説をしています。
受験勉強において、過去問を解くことはとても効果的な勉強法です。ぜひ、受験までに一度挑戦し、問題の傾向を掴んでおきましょう。合わせて、対策などをたてられるととても良いですね。
また、過去問で苦手な点が見つかった場合は、そこを中心に試験日当日までにしっかりと対策しておきましょう。
次の(1)~(4)の問いに答えなさい。
(1) 月のように、惑星の周りを公転する天体は何と呼ばれるか。その名称を書きなさい。
(2) 図1のように、同じ材質のプラスチックでできているストローAとストローBを一緒にティッシュペーパーでこすった。その後、図2のように、ストローAを洗濯ばさみでつるした。図2のストローAに、ストローBと、こすったティッシュペーパーをそれぞれ近づけると、電気の力が働いて、ストローAが動いた。図2のストローAが動いたときの、ストローAに近づけたものとストローAとの間にはたらいた力の組み合わせとして最も適切なものを、下のア~エの中から1つ選び、記号で答えなさい。
ストローAに近づけたもの | ||
ストローB | ティッシュペーパー | |
ア | 退け合う力 | 引き合う力 |
イ | 退け合う力 | 退け合う力 |
ウ | 引き合う力 | 引き合う力 |
エ | 引き合う力 | 退け合う力 |
(3) 有性生殖において、子の形質が親の形質と異なることがある理由を、受精、染色体という2つの言葉を用いて、簡潔に書きなさい。
(4) 表1は、硝酸カリウムの、水100gに溶ける最大の質量と温度の関係を表したものである。
30℃の水が入っているビーカーに、硝酸カリウムを加え、質量パーセント濃度が20%の硝酸カリウム水溶液250gをつくる。この水溶液250gの温度を30℃から10℃まで下げると、硝酸カリウムが結晶となって出てきた。結晶となって出てきた硝酸カリウムは何gか。表1をもとに、計算して答えなさい。
表1
温度(℃) | 硝酸カリウム(g) |
10 | 22 |
30 | 46 |
大問1
(1) 衛星
惑星の周りを公転する天体のことを衛星と呼ぶ。地球の場合は月が該当し、他にも木星には有名なエウロパを始め95個の衛星が知られている。
「人工衛星」は、人工で作られた衛星のように天体の周りを周回する物体なのでそう呼ばれる。
(2) ア
下図のように、ティッシュでストローをこすることでそれぞれのストローはマイナスの電気を帯びる。一方でストローにマイナスの電気が移ったティッシュはプラスの電気を帯びる。 電気は極性(+,-)が同じなら退け合い、異なれば引き付け合う性質がある。よってストロー 同士は退け合い、ストローとティッシュは引き合う力が働くので答えはア。
(3) 解答例:受精によって両方の親からそれぞれの染色体を受け継ぐから。
有性生殖において受精する際、受精卵は精子と卵子からそれぞれ半分ずつの染色体を受け継ぐ。この組み合わせによって、子の形質が親の形質と同じにならない場合が発生することになる。
(4) 6g
まず、30℃での硝酸カリウムの質量を求める。
質量パーセント濃度が 20%の 250g の水溶液より、硝酸カリウムの質量=250g × 0.20 = 50g
水溶液 250g 中の硝酸カリウムが 50g なので、水の質量は次のように求まる。 水溶液中の水の質量=250g − 50g = 200g
次に、10℃の水 200g に何gの硝酸カリウムが溶解するかを次のように求める。
表より、10℃で 100g の水に 22g の硝酸カリウムが溶解することが示されているので、
10℃で 200g の水に溶解可能な硝酸カリウムの質量=22g ×200g
100g = 44g
従って、30℃で 50g 溶けていた硝酸カリウムが 10℃になると 44g までしか溶け込めなくなり、 残りが結晶化するので
結晶化した硝酸カリウムの質量=50g − 44g = 6gとなる。
いろいろな生物とその共通及び生物の体のつくりと働きに関する(1)、(2)の問いに答えなさい。
(1) ある湖とその周辺の植物を調査したところ、オオカナダモ、ツバキ、アサガオが見られた。
① オオカナダモの葉を1枚とって、プレパラートをつくり、図3のように、顕微鏡を用いて観察した。
a 次の□の中の文が、低倍率で観察してから、高倍率に変えて観察するときの、図3の顕微鏡の操作について適切に述べたものとなるように、文中の( あ )( い )のそれぞれに補う言葉の組み合わせとして、下のア~エの中から正しいものを1つ選び、記号で答えなさい。
倍率を高くするときは、レボルバーを回し、高倍率の( あ )にする。倍率を高くすると、視野全体が( い )なるので、しぼりを調節してから観察する。
ア ( あ )対物レンズ ( い )明るく
イ ( あ )接眼レンズ ( い )明るく
ウ ( あ )対物レンズ ( い )暗く
エ ( あ )接眼レンズ ( い )暗く
b オオカナダモの葉の細胞の中に、緑色の粒が見られた。この緑色の粒では光合成が行われている。細胞の中にある、光合成が行われる緑色の粒は何とよばれるか。その名称を書きなさい。
② ツバキとアサガオは、双子葉類に分類される。次のア~エの中から、双子葉類に共通してみられる特徴を2つ選び、記号で答えなさい。
ア 胚珠が子房の中にある。
イ 根はひげ根からなる。
ウ 胚珠がむき出しになっている。
エ 根は主根と側根からなる。
③ 図4のように、歯の枚数や大きさ、枝の長さや太さがほぼ同じツバキを3本用意し、装置A~Cをつくり、蒸散について調べた。装置A~Cを、室内の明るくて風通しの良い場所に3時間置き、それぞれの三角フラスコ内の、水の質量の減少量を測定した。その後、アサガオを用いて、同様の実験を行った。表2は、その結果をまとめたものである。表2を基にして、a、bの問いに答えなさい。ただし、三角フラスコ内には油が少量加えられており、三角フラスコ内の水面からの水の蒸発はないものとする。
表2
水の質量の減少量(g) | ||
ツバキ | アサガオ | |
全ての葉の表にワセリンを塗る | 6.0 | 2.8 |
全ての葉の裏にワセリンを塗る | 1.3 | 1.7 |
何も塗らない | 6.8 | 4.2 |
a 表2から、ツバキとアサガオは、葉以外からも蒸散していることが分かる。この実験において、1本のツバキが葉以外から蒸散した量は何gであると考えられるか。計算して答えなさい。
b ツバキとアサガオを比べた場合、1枚の葉における、葉の全体にある気孔の数に対する葉の表側にある気孔の数の割合は、どのようであると考えられるか。次のア~エの中から1つ選び、記号で答えなさい。ただし、気孔1つあたりからの蒸散量は、気孔が葉の表と裏のどちらにあっても同じであるものとする。
ア ツバキの方が大きい。
イ どちらも同じである。
エ アサガオの方が大きい。
(2) 海の中には、多くの植物プランクトンが存在している。次の□の中の文は、植物プランクトンの大量発生により引き起こされる現象についてまとめた資料の一部である。
生活排水が大量に海に流れ込むと、これを栄養源として植物プランクトンが大量に発生することがある。大量に発生した植物プランクトンの多くは、水中を浮遊後、死んで海底へ沈む。死んだ大量の植物プランクトンを、微生物が海底で分解することで、海底に生息する生物が死ぬことがある。植物プランクトンを分解する微生物の中には、分解するときに硫化水素などの物質を発生させるものも存在し、海底に生息する生物が死ぬ原因の1つになっている。
① 植物プランクトンには、体が1つの細胞からできているものがいる。体が1つの細胞からできているものは、一般に何とよばれるか。その名称を書きなさい。
② 下線部のような現象が起こるのは、硫化水素などの物質の発生のほかにも理由がある。硫化水素などの生物の発生のほかに、微生物が大量の植物プランクトンを分解することによって、海底に生息する生物が死ぬことがある理由を、簡単に書きなさい。
大問2
(1)
①‐a ウ
レボルバーに数本(図は3本)付いている筒状のレンズが対物レンズである。 「物に対して向けるレンズ」なので、対物レンズと呼ばれる。レボルバーを回すことで 使用するレンズの倍率を変えることが出来る。一方で、目で覗くレンズは「目が接する レンズ」なので接眼レンズである。顕微鏡は高倍率にすると視野が狭くなり、その分視界が暗くなる。よってしぼりを広げて視野全体を明るくする必要があり、ウの組み合わせが正しい。
①‐b 葉緑体
全ての植物が持つ光合成を行う器官が葉緑体である。これが日光を浴びることで水と二 酸化炭素から栄養を合成する。
② ア、エ
被子植物は双子葉類と単子葉類に分類される。被子植物とは胚珠が子房の中にある植物のことなので、被子植物の一種である双子葉類はまずアが当てはまる。
次に、双子葉類と単子葉類の特徴の違いを表にまとめると右のようになる。双子葉類の根は主根(1本の太い根)と側根(枝分かれした細い根)から成るのに対し、単子葉類はひげ根という細い根がひげ状に生えた根となる。なので、双子葉類の根はエが当てはまる。
双子葉類 | 単子葉類 | |
子葉 | 子葉が 2 枚 | 子葉が1枚 |
葉脈 | 網目状 | 平行 |
茎の維管束 | 輪状 | ばらばら |
根 | 主根と側根 | ひげ根 |
③‐a 0.5g
ワセリンを塗った部分は蒸散をする穴である気孔がふさがれるため、蒸散されない。 つまりツバキの実験内容をまとめると以下のようになる。
①すべての葉の表にワセリンを塗った場合、「すべての葉の裏+それ以外の部分」から蒸散された水の質量が 6.0g であった。
②すべての葉の裏にワセリンを塗った場合、「すべての葉の表+それ以外の部分」から蒸散された水の質量が 1.3g であった。
③何も塗らなかった場合、「すべての葉の表+すべての葉の裏+それ以外の部分」か ら蒸散された水の質量が 6.8g であった。
ここで、まず「すべての葉の表」から蒸散された水の質量を求めると、
すべての葉の表からの蒸散=(すべての葉の表+すべての葉の裏+それ以外の部分)− (すべての葉の裏+それ以外の部分からの蒸散)
となり、6.8g-6.0g=0.8g となる。
次に、「すべての葉の裏」から蒸散された水の質量を求めると、
すべての葉の裏からの蒸散=(すべての葉の表+すべての葉の裏+それ以外の部分)− (すべての葉の表+それ以外の部分からの蒸散)
となり、6.8g-1.3g=5.5g となる。
「葉以外の部分から蒸散した水」は、全体の蒸散量から葉の裏表の蒸散量を引けばよいので、
6.8g(全体の蒸散) − 5.5g(葉の裏の蒸散) − 0.8g(葉の表の蒸散) = 0.5g
③‐b ウ
問題文より葉や枝の条件が同じなので、蒸散量の比は気孔の数の比と等しくなる。葉の全体の気孔の数に対する葉の表側にある気孔(蒸散する穴)の数の比は、「葉の表側の蒸散量/葉の全体の蒸散量」で求まる。
ツバキの場合、aより葉の全体の蒸散量は「すべての葉の裏の蒸散量+すべての葉の表の蒸散量」で求まるので、0.8g+5.5g=6.3g となる。
よって、ツバキの葉の全体の蒸散量/ツバキの葉の表側の蒸散量=0.8g/6.3g になる。
同様に、アサガオの葉の表の蒸散量を求めると 4.2g-1.7g=2.5g,アサガオの葉の裏の蒸散量を求めると、4.2g-2.8g=1.4g となる。葉全体の蒸散量は 2.5g+1.4g=3.9gとなる。
よって、アサガオの蒸散量の比は、葉の表側の蒸散量/葉の全体の蒸散量=2.5g/3.9g になる。
ツバキとアサガオの葉の全体の蒸散量に対する葉の表側の蒸散量を比べると、アサガオの方がツバキより大きいので、答えはウとなる。
(2)
① 単細胞生物
体が1つの細胞からできている生物は「単一の細胞の生物」なので、「単細胞生物」と呼ぶ。一方で、「多数の細胞を持つ生物」のことを「多細胞生物」と呼ぶ。
② 水の中の酸素が不足するから。(分解に大量の酸素を使うから。)
微生物が植物プランクトンの死骸を分解する時、活発な活動の中で大量の呼吸が行われることで水中が酸欠状態になることがある。これによりその近辺に生息する生物が呼吸出来なくなり死ぬことがある。
化学変化とイオン及び化学変化と原子・分子に関する(1)~(3)の問いに答えなさい。
(1) 図5のように、ビーカー内に硫酸亜鉛水溶液に、硫酸銅水溶液が入ったセロハンの袋を入れ、硫酸亜鉛水溶液の中に亜鉛板を、硫酸銅水溶液の中に銅板を入れて電池を作る。この電池の、亜鉛板と銅板に光電池モーターを接続すると、光電池モーターは回転した。
図5のしくみを理解したRさんとSさんは、光電池モーターの回転を速くする方法について話している。このとき、次の①~③の問いに答えなさい。
Rさん:(a)図5の電池は、金属のイオンへのなりやすさによって、銅板と亜鉛板で起こる反応が決まっていたよね。
Sさん:そうだね。光電池用モーターの回転の速さは、使用した金属のイオンへのなりやすさと関係していると思うよ。
Rさん:銅は変えずに、亜鉛を、亜鉛よりイオンになりやすいマグネシウムに変えて試してみよう。そうすれば、光電池用モーターの回転が速くなりそうだね。
Sさん:金属板の面積を大きくしても、電子を放出したり受け取ったりする場所が増えて、光電池用モーターの回転が速くなりそうだね。
Rさん:なるほど。(b)図5の、亜鉛板と硫酸亜鉛水溶液を、マグネシウム板と硫酸マグネシウム水溶液に変えて、銅板、マグネシウム板の面積を、図5の、銅板、亜鉛板の面積よりも大きくして、光電池用モーターの回転が速くなるかを調べてみよう。
① 硫酸銅や硫酸亜鉛は、電解質であり、水に溶けると陽イオンと陰イオンに分かれる。電解質が水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれることは何と呼ばれるか。その名称を書きなさい。
② 下線部(a)の銅板で起こる化学変化を、電子1個をe⁻として、化学反応式で表すと、Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu となる。
a 下線部(a)の銅板で起こる化学変化を表した化学反応式を参考にして、下線部(a)の亜鉛板で起こる化学変化を、化学反応式で表しなさい。
b 次のア~エの中から、図5の電池における、電極と、電子の移動について、適切に述べたものを1つ選び、記号で答えなさい。
ア 銅板は+極であり、電子は銅板から導線を通って亜鉛板へ移動する。
イ 銅板は+極であり、電子は亜鉛板から導線を通って銅板へ移動する。
ウ 亜鉛板は+極であり、電子は銅板から導線を通って亜鉛板へ移動する。
エ 亜鉛板は+極であり、電子は亜鉛板から導線を通って銅板へ移動する。
③ 下線部(b)の方法で実験を行うと、光電池用モーターの回転が速くなった。しかし、この実験の結果だけでは、光電池用モーターの回転の速さは使用した金属のイオンへのなりやすさと関係していることが確認できたとはいえない。その理由を、簡単に書きなさい。ただし、硫酸銅水溶液、硫酸亜鉛水溶液、硫酸マグネシウム水溶液の濃度と体積は、光電池用モーターの回転が速くなったことには影響していないものとする。
(2) Sさんは、水素と酸素が反応することで電気が発生する燃料電池に興味を持ち、燃料電池について調べた。資料1は、燃料電池で反応する水素と酸素の体積比を調べるために、Sさんが行った実験の結果をまとめたレポートの一部を示したものである。
《準備》
燃料電池、タンクP、タンクQ、光電池用モーター
《実験》
図6のように、タンクPに気体の水素8cm3 を、タンクQに気体の酸素2cm3 を入れ、水素と酸素を反応させる。燃料電池に接続した光電池用モーターの回転が終わってから、タンクP、Qに残った気体の体積を、それぞれ測定する。
その後、タンクQに入れる気体の酸素の体積を4cm3 、6cm3 、8cm3 に変えて、同様の実験を行う。
《結果》
表3のようになった。
《考察》
表3から、反応する水素と酸素の体積比は2:1である。
表3
入れた水素の体積(cm3) | 8 | 8 | 8 | 8 |
入れた酸素の体積(cm3) | 2 | 4 | 6 | 8 |
残った水素の体積(cm3) | 4 | 0 | 0 | 0 |
残った酸素の体積(cm3) | 0 | 0 | 2 | 4 |
① この実験で用いた水素は、水を電気分解して発生させたが、ほかの方法でも水素を発生させることができる。次のア~エの中から、水素が発生する反応として適切なものを1つ選び、記号で答えなさい。
ア 酸化銀を試験管に入れて加熱する。
イ 酸化銅と炭素を試験管に入れて加熱する。
ウ 硫酸と水酸化バリウム水溶液を混ぜる。
エ 塩酸にスチールウール(鉄)を入れる。
② 燃料電池に接続した光電池用モーターが回転しているとき、反応する水素と酸素の体積比は2:1であり、水素1cm3 が減少するのにかかる時間は5分であった。
表3をもとにして、タンクPに入れる水素の体積を8cm3 にした時の、タンクQに入れる酸素の体積と光電池用モーターが回転する時間の関係を表すグラフを、図7にかきなさい。
ただし、光電池用モーターが回転しているとき、水素は一定の割合で減少しているものとする。
(3) 図8のように、ポリエチレンの袋の中に、同じ体積の、水素と空気を入れて密閉し、点火装置で点火すると、水素と酸素が2:1の体積の割合で反応し、水が発生した。反応後、ポリエチレンの袋の中に残った気体の温度が点火前の気体の温度と等しくなるまでポリエチレンの袋を放置したところ、発生した水は全て液体になり、ポリエチレンの袋の中に残った気体の体積は28cm3 になった。
ポリエチレンの袋の中に残っている水素の体積は何cm3 であると考えられるか。計算して答えなさい。ただし、空気には窒素と酸素だけが含まれており、窒素と酸素は4:1の体積比で混ざっているものとする。また、水素と酸素の反応以外の反応は起こらないものとする。
大問3
(1)
① 電離
電解質が水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれることを電離と呼ぶ。
例えば、硫酸銅の電離の化学反応式は【 CuSO4 → Cu² + SO₄²⁻ 】となる。
②‐a Zn → Zn²⁺ + 2e⁻
亜鉛Znが電離する様子を表せばいい。
問題文のCu²⁺ → 2e⁻ + Cu なので、亜鉛側では逆に2e⁻が電離するように表せばよい。よって、Zn → Zn²⁺ + 2e⁻となる。
②‐イ
銅板の化学反応式はCu²⁺ → 2e⁻ + Cuなので、電子を放出することで+極となることが分かる。放出された電子は亜鉛版に向かい、銅線へ移動する。
③ 金属板の面積も変えたから。
実験によってなにかを比較する場合は、その他の要因に結果が左右されないように比較対象以外の条件を揃える必要がある。このような実験方法を対照実験と呼ぶ。今回の場合、電極の物質のみならず大きさまで変えてしまったのでどちらの要因がどれくらいの影響を与えて光電池用モーターの回転が速くなったかを言い切れない。
(2)
① エ
塩酸にスチールウール(鉄)を入れた場合、以下のような化学反応が起こり、水素(H2)が発生する。【2HCl + Fe → FeCl₂ + H₂】
② 右図参照
タンク P に入れる水素の体積が8cm3である。問題文より1cm3あたり5分回転するので、水素すべてに反応する十分な酸素がある場合、モーターは 5 分×8 =40 分回り続ける。
ここで水素すべてに反応する十分な酸素をxとすると、反応する水素と酸素の体積比が 2:1であることから、
8: x = 2: 1 → 2x = 8 → x = 4cm³となる。
したがって、タンク Q に入れる酸素の体積が4cm3の時、モーターは 40 分回り続ける。タンク Q に入れる酸素の体積が0cm3の時は当然回らない(0 分)である。また、タンクQに入れる酸素の体積が4cm3を上回っても、それ以上反応する水素がないため、モーターの回転時間は 40 分が上限となる。
つまり、タンク Q に入れる酸素の量が4cm3までは比例して回転時間が増え、それ以上は 40分間を超えることがない。これをグラフに書くと[0cm³, 0分]の点と[4cm³, 40分]の点を赤線のような直線で結び、さらにタンク Q に入れる酸素の体積が4cm³以上においては回転時間上限の 40 分となるよう青線のように線を引く。
(3) 12cm³
元の袋中の気体の体積をVcm³とすると、点火する前の水素と空気が同じ体積であることから、反応する前の水素と空気の体積はそれぞれ、
V/2 cm³と表せる。
次に、空気中の窒素と酸素の比率が 4:1 であることから、酸素と窒素の体積は以下のように求めることが出来る。
酸素 → V/2 × 1/5 = V/10 cm³、窒素 → V/2 × 4/5 = 4V/10 cm³
次に、反応後に残った水素の体積を求める。水素と酸素は 2:1 で反応するので、酸素に反応して水になった水素の体積は元の空気に含まれていた酸素の2倍となる。よって V/10 の2倍、つまり 2V/10 cm³の水素が反応したことになる。そして、元の水素の体積 V/2 から 2V/10 を引くことで、反応後の残りの水素の体積が求められる。
反応後の残りの水素→ V/2 - 2V/10 = 5V/10 - 2V/10 = 3V/10 cm³
次に、反応後の袋の中には「水」、「酸素が足りず、反応できず残った水素」、「窒素」の3つが入っている。つまり、反応後の残りの水素+窒素の体積が28cm³である。それを式で表したら以下のようになる。
反応後の残りの水素+窒素の体積 = 3V/10 + 4V/10 = 7V/10 = 28cm³
よって、元の袋中の気体の体積は V = 40 cm³ と求められる。
最後に、反応後の残りの水素を求めるために 3V/10 に代入すると、12cm³となる。
気象とその変化に関する(1)~(3)の問いに答えなさい。図9は、ある年の4月7日9時における天気図である。
(1) 図9の岩見沢市における4月7日9時の気象情報を調べたところ、天気はくもり、風向は南、風力は4であった。
岩見沢市における4月7日9時の、天気、風向、風力を、天気図記号で、図10に書きなさい。
(2) 表4は、図9の御前崎市における4月7日の4から20時までの、1時間ごとの気象情報の一部をまとめたものである。
① 表4で示された期間中に、図9の前線Aが御前崎市を通過した。前線Aが御前崎市を通過したと考えられる時間帯として最も適切なものを、次のア~エの中から1つ選び、記号で答えなさい。
ア 4時~7時
イ 8時~11時
ウ 13時~16時
エ 17時~20時
② 前線に沿ったところや低気圧の中心付近では雲ができやすいが、高気圧の中心付近では、雲ができにくく、晴れることが多い。高気圧の中心付近では、雲ができにくく、晴れることが多い理由を、簡潔に書きなさい。
(2) 表4は、図9の御前崎市における4月7日の4から20時までの、1時間ごとの気象情報の一部をまとめたものである。
① 表4で示された期間中に、図9の前線Aが御前崎市を通過した。前線Aが御前崎市を通過したと考えられる時間帯として最も適切なものを、次のア~エの中から1つ選び、記号で答えなさい。
ア 4時~7時
イ 8時~11時
ウ 13時~16時
エ 17時~20時
② 前線に沿ったところや低気圧の中心付近では雲ができやすいが、高気圧の中心付近では、雲ができにくく、晴れることが多い。高気圧の中心付近では、雲ができにくく、晴れることが多い理由を、簡潔に書きなさい。
(3) 御前崎市では、前線Aが通過した数日後、湿度が低下したので、Rさんは、部屋で加湿器を使用した。Rさんは、飽和水蒸気量を計算して求めるために、部屋の大きさ、加湿器を使用する前後の湿度、加湿器使用後の貯水タンクの水の減少量を調べた。
資料2は、その結果をまとめたものである。加湿器使用後の部屋の気温が加湿器使用前と同じであるとすると、この気温に対する緩和水蒸気量は何g/m3 か。資料2をもとに、計算して答えなさい。ただし、加湿器の貯水タンクの減少した水はすべて部屋の中の空気中の水蒸気に含まれており、加湿器を使用している間の気圧の変化は無視できるものとする。また、部屋は密閉されているものとする。
《部屋の大きさ》 50m3
《加湿器使用前》 湿度は35%
《加湿器使用前》 湿度は50% 貯水タンクの水は120g減少。
(1) 右図参照
まず、天候が「曇り」なので中央に曇りマークである「◎」を記す。なお、快晴の場合は「○」、晴れの場合は「丸で中央縦線 」、雨の場合は「●」で示す。
次に、風向きが「南」なので、右上の方角を参照して南方向(下向き)に線を伸ばす。
最後に、風力が「4」なので、先ほど引いた線から 4 本、時計の進行方向側に向けて腕を伸ばして完成となる。
なお、腕は片側に6本までで、それ以上は反対側に記す。
(2)
①‐ウ
まず前提として、前線とは暖かい気団と冷たい気団の境目のことを意味する。右図の前線 A の図を見ると、青丸で示された三角マークと、赤丸で示された半円マークがある。三角マークは冷たい気団で、半円マークは暖かい気団を意味し、向きはそれぞれ気団の押している方向を意味する。
それを踏まえて図9を見ると、前線 A はまだ御前埼市を通過する前なので、通過した時刻は少なくとも9時以降であることがわかる。また、暖かい気団の進行方向の手前側に存在する ので、9 時時点では冷たい気団の中にいる。次に表4を見ると、14~15 時にかけて大きく気温が上がり、また風向きが北東から南西に変わっていることがわかる。ここで前線が御前埼 市を通過したと考えられ、答えは 13~16 時のウとなる。
②‐下降気流が生じるから
高気圧は中心から外側に向かって風が吹き出す特徴がある。このため、空気が中心で押し下 げられて下降気流が生じる。下降気流が起きると、空気は地面に向かって圧縮され、それに より気温が上昇する。気温が上昇すると空気中の飽和水蒸気量が増え、水蒸気が凝結しにくくなるため、雲ができにくくなる。
(3) 16 g/m³
湿度が35%から50%に変化したということは、15%湿度が上昇したということである。
また、50m³貯水タンクの水が120g 減少したということは、1m³あたりの増加した水蒸気量は、120/50gとなる。飽和水蒸気量の15%の水量が120/50gなので、飽和水蒸気量をxとすると、
15x/100 = 120/50
x = 16g
大地の成り立ちと変化に関する(1)、(2)の問いに答えなさい。
(1) 静岡県内を流れる天竜川の河口付近の川原を調査したところ、堆積岩が多く見られた。堆積岩は、れき、砂、泥などの堆積物が固まってできた岩石である。
① 岩石は、長い間に気温の変化や水のはたらきによって、表面からぼろぼろになってくずれていく。長い間に気温の変化や水のはたらきによって、岩石が表面からぼろぼろになってくずれていく現象は何とよばれるか。その名称を書きなさい。
② 川の水のはたらきによって海まで運ばれた、れき、砂、泥は海底に堆積する。一般に、れき、砂、泥のうち、河口から最も遠くまで運ばれるものはどれか。次のア~ウの中から1つ選び、記号で答えなさい。また、そのように判断した理由を、粒の大きさに着目して、簡単に書きなさい。
ア れき
イ 砂
ウ 泥
(2) 天竜川の流域で採取した火成岩を、ルーペを使って観察した。表5は、観察した火成岩の特徴を示したものであり、ア~エは、玄武岩、流紋岩、はんれい岩、花こう岩のいずれかを表している。また、図11は、火成岩の種類と、マグマのねばりけの関係を示したものである。表5のア~エの中から、花こう岩にあたるものを1つ選び、記号で答えなさい。
表5
特徴 | |
ア | つくりは等粒状組織からなる。色は黒っぽい。 |
イ | つくりは等粒状組織からなる。色は白っぽい。 |
ウ | つくりは斑状組織からなる。色は黒っぽい。 |
エ | つくりは斑状組織からなる。色は白っぽい。 |
図11
火山岩 | 玄武岩 | 安山岩 | 流紋岩 |
深成岩 | はんれい岩 | せん緑岩 | 花こう岩 |
マグマの ねばりけ | 弱い ←-----→ 強い |
(1)
① 風化
問題文のように長い時間をかけて気温の変化や水のはたらきによって岩石がくずれることを「風化」と呼ぶ。また、川や雨の流れによって岩石が削れることを「浸食」、風化や浸食された岩や土が川の流れなどで運ばれることを「運搬」、運搬された岩石や土砂が、海や湖の底に積もることを「堆積」と呼ぶ。
② ウ 理由:粒が最も小さいから
粒の大きさは大きい順にれき→砂→泥である。粒が小さいもののほうが軽く、また軽いもののほうがより遠くへ水の流れによって運ばれる。
(2) イ
火成岩は、元となるマグマの粘り気が強いほど色が白っぽくなる。また、深成岩は等粒状組織で火山岩は斑状組織となる。よって、深成岩で粘り気の強い花こう岩はイとなる。
身近な物理現象及び運動とエネルギーに関する(1)~(3)の問いに答えなさい。
(1) 図12のように、斜面上に質量120gの金属球を置き、金属球とばねばかりを糸で結び、糸が斜面と平行になるようにばねばかりを引いて金属球を静止させた。ただし、糸の質量は無視でき、空気の抵抗や摩擦はないものとする。
① ばねばかりは、フックの法則の利用した装置である。次の□の中の文が、フックの法則について適切に述べたものとなるように、【 】に言葉を補いなさい.
ばねののびは、【 】の大きさに比例する。
② 図12の斜面を、斜面の角度が異なるさまざまな斜面に変え、糸が斜面と平行になるようにばねばかりを引いて質量120gの金属球を静止させたときのばねばかりの値を読み取った。図13は、このときの、斜面の角度とばねばかりの価の関係を表したものである。
a 斜面の角度が大きくなると、ばねばかりの値が大きくなる。その理由を、分力という言葉を用いて、簡単に書きなさい。
b 図12の質量120gの金属球を、質量60gの金属球に変え、糸が斜面と平行になるようにばねばかりを引いて静止させた。このとき、ばねばかりの値は0.45Nであった。図13をもとにすると、この時の斜面の角度は何度であると考えられるか。次のア~カの中から、最も近いものを1つ選び、記号で答えなさい。
ア 10°
イ 20°
ウ 30°
エ 40°
オ 50°
カ 60°
(2) 図14のように、レールを用いて、区間ABが斜面、区間BCが水平面である装置をつくり、区間BCの間に木片を置く。ただし、区間ABと区間BCはなめらかにつながっているものとする。
金属球PをAに置き、静かにはなして、木片に当てたところ、木片は金属球Pとともに動いて、やがてレール上で静止した。次に、金属球Pを、金属球Pにより質量が大きい金属球Qに変えて、同様の実験を行ったところ、木片は金属球Qとともに動いて、やがてレール上で静止した。ただし、空気の抵抗はないものとする。また、摩擦は木片とレールの間にのみはたらくものとする。
① 位置エネルギーと運動エネルギーの和は何とよばれるか。その名称を書きなさい。
② 金属球P、Qが木片にあたる直前の速さは同じであった。このとき、金属球Pを当てた場合と比べて、金属球Qを当てた場合の、木片の移動距離は、どのようになると考えられるか。運動エネルギーに関連付けて、簡潔に書きなさい。
(3) 図15のように、図14の装置に置いた木片を取り除く。金属球Pは斜面を下り、Cに到達した。図16は、金属球Pが動き始めてからCに到達するまでの、時間と金属球Pの速さの関係を、Cに達した時の金属球Pの速さを1として表したものである。ただし、空気の抵抗や摩擦はないものとする。
① 図16のもとに、金属球Pが動き始めてから区間ABの中点に達するまでの時間として適切なものを、次のア~ウの中から1つ選び、記号で答えなさい。
ア 0.8秒より長い時間
イ 0.8秒
ウ 0.8秒より短い時間
② 図17のように、図15の装置の区間AB、BCの長さを変えずに水平面からのAの高さを高くする。金属球Pと、同じ材質でできた、質量が等しい金属球RをAに置き、静かにはなしたところ、金属球Rは斜面を下り、Cに達した。金属球Rが動き始めてからCに達するまでの時間は1.2秒であった。
また、金属球RがCに達したときの速さは、金属球Pが図15の装置でCに達したときの速さの2倍であった。金属球Rの速さが、金属球Pが図15の装置でCに達したときの速さと同じになるのは、金属球Rが動き始めてから何秒後か。図16をもとにして、答えなさい。
(1)
① (ばねを)引く力
ばねは、ばねを引っ張る力に比例して長く伸びる性質を持つ。例えば、ばねばかりに 100gのおもりをぶら下げた場合、50g のおもりをぶら下げた場合の2倍長く伸びる。
②‐a 重力の斜面に平行な分力の大きさが大きくなるから。
右図のように、斜面に金属球を置き、ばねばかりを引いた場合、下向きに働く重力が、斜面の角度に応じて斜面に平行な力(赤線)と斜面に垂直な力(青色)の分力に分解される。
ばねばかりを引っ張る力は、斜面に平行な赤色の分力である。斜面の角度が大きくなるにつれて、青色の分力は小さくなり赤色の分力は大きくなるため、ばねばかりの示す数値は大きくなる。
②‐b オ
右グラフは、120g の金属球における、斜面の角度とばねばかりの値のグラフである。フックの法則により、金属球のおもさが120gから 60g の半分になると、ばねばかりの値もそれぞれの角度において半分になる。
つまり、60g の金属球で 0.45N を示したということは、120gの場合は倍の 0.90N を示すということになる。よって120g のときにばねばかりの値が 0.90N の場合の斜面の角度はグラフより 50°なので、オが正しい。
(2)
① 力学的エネルギー
力学的エネルギーは、【 力学的エネルギー = 位置エネルギー + 運動エネルギー 】で表される。
また力学的エネルギー保存の法則により、力学的エネルギーは外部の要因が変わらなければ常に同じ強さになる。
② 運動エネルギーが大きいため、移動距離は大きくなる。
運動エネルギーは以下の式で表される。
【 運動エネルギー(J)= 1/2 × 質量(kg)× 速さ(m/s²)× 速さ(m/s²) 】
この式より、質量の大きさに比例して運動エネルギーは大きくなる。よって、金属球Pより重い金属球 Q は同じ速度においてより大きい運動エネルギーを持っており、その分ぶつかった木片は大きく動く。
(3)
① ア
まず、グラフより速度が一定となった 1.6 秒の時点で、金属球は平面になっている点Bに到達している。つまり金属球PはAB間の斜面でのみ加速している。Aから速度0でスタートしてBに到達するまでの間、球は斜面を転がりながら加速している。つまりAから中点までは、Bから中点までよりも長い時間をかけて到達している。よって、AB間を移動した時間 1.6 秒の半分である 0.8 秒時点ではまだ中点に到達していない。つまり、Aから中点に到達するには 0.8 秒より長い時間必要とするので、答えはアとなる。
② 0.4秒
球Pも球Rも BC 間では同じ速度で動き続ける。球Pが点 BC 間を移動した時間は 2.4 秒 - 1.6 秒 = 0.8 秒である。球Rは球Pの倍の速さで点Cに到達した。つまり球Rは球Pの半分の時間である 0.4 秒で BC 間を移動したことになる。
つまり、点 C に到達した 1.2 秒から0.4 秒間さかのぼった点 B 地点の時間である 0.8 秒の間を速度2で移動した赤線が引ける。次に、球Rは球P同様、点 AB 間を速度 0 から 2 まで加速しながら移動したので、原点から 0.8 秒,速度2の点 B のところまで青線のような直線を記す。
このようにして完成したグラフから、球Pが点Cに達したときの速度1と球Rが同じ速さのときの時間を求める。グラフの点より、0.4 秒であることがわかる。
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