【数学】連立方程式

今回は中学2年生の最初の関門、連立方程式を取り扱っていきます。

この分野では1年生で学んだ方程式が2つ以上あったらどうなるかを学んでいきましょう!
1年生の時の復習はコチラの記事で解説しています。

1.連立方程式とは

連立方程式とは未知数(文字の数)が2つ以上で式が同数あるときに未知数の解を求める問題のことです。一般的に未知数が二つのケースが好んで出題されます。
・・・と、言葉で書くと物凄く仰々しいですが、式にしてしまうとすっきりします。
2x+y=7
3x-y=3
この2本の式があった時に、xとyの値を答える問題のことです。

具体的な解法は後述していきますが、まずはざっくりとどのような手順で解いていけばいいかを学んでいきましょう。

  1. 2つの式から文字が1つの式を作る(係数が同じ項に注目すると良いです。)
    上記の式なら「y」に注目します。係数が同じ「1」であることが分かると思います。
  2. 文字を1つにして、解を出す。
    上記の式なら、2本の式の足し算をすると5x=10となり、方程式の問題となり、x=2という解を得ます。
  3. 得た解を式に代入し、もう1つの文字を求める。
    上記の式なら、x=2を上の式に代入すると、4+y=7となり、y=3という解を得ます。

それではいくつかの例題の後、次章からはこのような解き方の名称と、もう一つの解法の名称。小数や分数の場合を学んでいきたいと思います。

例題1

次の連立方程式を解け。(HPの仕様上「,」で区切ります。)

(1)4x+3y=9,2x-3y=9

(2)2x+3y=2,2x-y=10
(3)2x+y=2,-y+5x=-9

解答1

上記で学んだ手順に沿って解答していきたいと思います。
(1)4x+3y=9,2x-3y=9

  1. 「y」の係数が同じ「3」なので、ここに注目します。
  2. 2本の式を足し算すると、6x=18となり、x=3という解を得ます。
  3. x=3を代入すると、12+3y=9となり、y=-1という解を得ます。

(2)2x+3y=2,2x-y=10

  1. 「x」の係数が同じ「2」なので、ここに注目します。
  2. 2本の式を引き算すると、4y=-8となり、y=-2という解を得ます。
  3. y=-2を代入すると、2x-6=2となり、x=4という解を得ます。

(3)2x+y=2,-y+5x=-9

  1. 「y」の係数が同じ「1」なので、ここに注目します。
  2. 2本の式を足し算すると、7x=-7となり、x=-1という解を得ます。
  3. x=-1を代入すると、-2+y=2となり、y=4という解を得ます。

2.加減法

前章のように、足し算や引き算をして解を求める解法のことを加減法と呼びます。

この章では前回のように係数が揃っている文字がない時にどのように解いていけばよいかを説明していきます。

 

6x-7y=12・・・①

-3x+2y=3・・・②
という式があった時を考えていきましょう。係数同じ文字が無いので少し困ってしまいますね。
思い出して欲しいのが、方程式のときに習った重要な法則です。
それは「左辺と右辺それぞれ(合わせて両辺と呼びます)同じ数の加減乗除の計算をしても、答えは同じになる」ということです。
つまり、同じ係数を作ってしまえばOKです!

②の式に2を掛けると、「x」の係数が「6」になり、同じ係数の文字を誕生させることができますね。
-6x+4y=6・・・②’として、手順に沿って解いていきましょう。

 

  1. ①と②’の「x」の係数が同じ「6」なので、ここに注目します。
  2. 2本の式を足し算すると、-3y=18となり、y=-6という解を得ます。
  3. y=-6を①の式に代入すると、6x+42=12となり、x=-5という解を得ます。

大体の方程式はこの加減法で解くことが出来るので、しっかり押さえておきましょう!

例題2

次の方程式を解け。(HPの仕様上「,」で区切ります。)
(1)3x+2y=20・・・①,x+y=9・・・②

(2)5x-2y=3・・・①,2x-3y=21・・・②

(3)8x-3y=19・・・①,7x+2y=12・・・②
(4)6x+5y=-9・・・①,7x+4y=17・・・②

(5)4x-5y=21・・・①,3x-2y=21・・・②

解答2

(1)3x+2y=20・・・①,x+y=9・・・②

係数をそろえるために②に2を掛けます。すると、2x+2y=18・・・②’となります。

  1. ①と②’の「y」の係数が同じ「2」なので、ここに注目します。
  2. 2本の式を引き算すると、x=2という解を得ます。
  3. x=2を①の式に代入すると、6+2y=20となり、y=7という解を得ます。

(2)5x-2y=3・・・①,2x-3y=21・・・②

係数をそろえるために①に3を掛け、②に2を掛けます。すると、15x-6y=9・・・①’、4x-6y=42・・・②’となります。

  1. ①’と②’の「y」の係数が同じ「6」なので、ここに注目します。
  2. 2本の式を引き算すると、11x=-33となり、x=-3という解を得ます。
  3. x=-3を①の式に代入すると、-15-2y=3となり、y=-9という解を得ます。

(3)8x-3y=19・・・①,7x+2y=12・・・②

係数をそろえるために①に2を掛け、②に3を掛けます。すると、16x-6y=38・・・①’、21x+6y=36・・・②’となります。

  1. ①’と②’の「y」の係数が同じ「6」なので、ここに注目します。
  2. 2本の式を足し算すると、37x=74となり、x=2という解を得ます。
  3. x=2を①の式に代入すると、16-3y=19となり、y=-1という解を得ます。

(4)6x+5y=-9・・・①,7x+4y=17・・・②
係数をそろえるために①に4を掛け、②に5を掛けます。すると、24x+20y=-36・・・①’、35x+20y=85・・・②’となります。

  1. ①’と②’の「y」の係数が同じ「20」なので、ここに注目します。
  2. 2本の式を引き算すると、-11x=-121となり、x=11という解を得ます。
  3. x=11を①の式に代入すると、66+5y=-9となり、y=-15という解を得ます。

(5)4x-5y=21・・・①,3x-2y=21・・・②
係数をそろえるために①に2を掛け、②に5を掛けます。すると、8x-10y=42・・・①’、15x-10y=105・・・②’となります。

  1. ①’と②’の「y」の係数が同じ「10」なので、ここに注目します。
  2. 2本の式を引き算すると、-7x=-63となり、x=9という解を得ます。
  3. x=9を①の式に代入すると、36-5y=21となり、y=3という解を得ます。

3.代入法

さて、前章でお伝えした通り、ほとんどの連立方程式の問題は加減法で解くことができます。

しかし、中には加減法で解かない方が簡単に解を得ることができるケースがあります。この時の方法を代入法と言います。

 

y=3x+2・・・①

6x-y=1・・・②

という式があった時、①を移項して、加減法で解くこともできますが、折角①がy=○○の形になっているので②の式にそのまま当てはめちゃおうという方法です。

  1. ①を②に代入すると6x-(3x+2)=1となります。
  2. これを解くと、x=1という解を得ます。
  3. x=1を①に代入すると、y=5という解を得ます。

このように、代入法を使うと煩雑な計算が少なくて済むケースが多いです。練習してみましょう。

例題3

次の方程式を解け。(HPの仕様上「,」で区切ります。)
(1)x=2y-5・・・①,3x-2y=1・・・②

(2)2y=x-4・・・①,3x-2y=8・・・②

(3)x-y=1・・・①,2x-3y=-2・・・②
(4)y=3x-8・・・①,5(2x+y)=6x-2・・・②

解答3

(1)x=2y-5・・・①,3x-2y=1・・・②

  1. ①を②に代入すると3(2y-5)-2y=1となります。
  2. これを解くと、y=4という解を得ます。
  3. y=4を①に代入すると、x=3という解を得ます。

(2)2y=x-4・・・①,3x-2y=8・・・②

①を移項し、x=2y+4・・・①’として、代入法で解きます。

  1. ①’を②に代入すると3(2y+4)-2y=8となります。
  2. これを解くと、y=-1という解を得ます。
  3. y=-1を①’に代入すると、x=2という解を得ます。

(3)x-y=1・・・①,2x-3y=-2・・・②

①を移項し、x=y+1・・・①’として、代入法で解きます。

  1. ①’を②に代入すると、2(y+1)-3y=-2となります。
  2. これを解くと、y=4という解を得ます。
  3. y=4を①’に代入すると、x=5という解を得ます。

(4)y=3x-8・・・①,5(2x+y)=6x-2・・・②

少し難問です。先に②を整理しましょう。

10x+5y=6x-2→4x+5y=-2・・・②’としておきます。

  1. ①を②’に代入すると、4x+5(3x-8)=-2となります。
  2. これを解くと、x=2という解を得ます。
  3. x=2を①に代入すると、y=-2という解を得ます。

4.小数の連立方程式

さて、2つの解法を紹介したので小数が入る連立方程式を解いていきたいと思います。
この場合も「左辺と右辺それぞれ(合わせて両辺と呼びます)同じ数の加減乗除の計算をしても、答えは同じになる」を使えば大丈夫です。

0.4x+0.3y=0.9・・・①

0.02x-0.03y=0.09・・・②

という式があった時、①を10倍、②を100倍すると、4x+3y=9・・・①、2x-3y=9・・・②となるので加減法で解いていきましょう。

  1. ①’と②’の「y」の係数が同じ「3」なので、ここに注目します。
  2. 2つの式を足し算すると、6x=18となり、x=3という解を得ます。
  3. x=3を①’に代入すると12+3y=9となり、y=-1という解を得ます。

いくつか練習していきましょう。

例題4

次の方程式を解け。(HPの仕様上「,」で区切ります。)

(1)0.2y=0.6x+0.4・・・①,0.3x-0.05y=0.05・・・②

(2)0.01y=0.01x-0.02・・・①,0.3x+0.1y=1.4・・・②

解答4

(1)0.2y=0.6x+0.4・・・①,0.3x-0.05y=0.05・・・②

①を10倍、②を100倍すると、2y=6x+4→y=3x+2・・・①’、30x-5y=5・・・②’となります。代入法で解いていきましょう。

  1. ①’を②’に代入すると30x-5(3x+2)=5となります。
  2. これを解くと、x=1という解を得ます。
  3. x=1を①’に代入すると、y=5という解を得ます。

(2)0.01y=0.01x-0.02・・・①,0.3x+0.1y=1.4・・・②

①を100倍、②を10倍すると、y=x-2・・・①’、3x+y=14・・・②’となります。代入法で解いていきましょう。

  1. ①’を②’に代入すると、3x+(x-2)=14となります。
  2. これを解くと、x=4という解を得ます。
  3. x=4を①’に代入すると、y=2という解を得ます。

5.分数の連立方程式

次に、分数の場合の連立方程式の解き方を紹介していきます。
この場合も「左辺と右辺それぞれ(合わせて両辺と呼びます)同じ数の加減乗除の計算をしても、答えは同じになる」を使えば大丈夫です。

分母の最小公倍数を両辺に掛けて整理しましょう。

 

1/2x+1/2y=1・・・①

3/5x+2/5y=3/5・・・②
という式があった時、①に2を掛け、②に5を掛けると、x+y=2・・・①’、3x+2y=3・・・②’となります。加減法で解いていきましょう。

  1. ①’と②’の係数が異なるので、①’に2を掛け、2x+2y=4・・・①’’とし、「y」に注目します。
  2. 2つの式を引き算すると、x=-1という解を得ます。
  3. x=-1を①’に代入すると、y=3という解を得ます。

それでは練習問題を解いていきましょう。

例題5

次の方程式を解け。(HPの仕様上「,」で区切ります。)

(1)1/3x+1/2y=1/3・・・①,1/4x-1/3y=5/3・・・②

(2)1/2x+1/2y=1・・・①,3/5x+2/5y=3/5・・・②

解答5

(1)1/3x+1/2y=1/3・・・①,1/4x-1/3y=5/3・・・②
①に6,②に12をそれぞれ掛けると、2x+3y=2・・・①’、3x-4y=20・・・②’となります。加減法で解いていきましょう。

  1. ①’と②’の係数が異なるので、①’に4を掛け、②’に3を掛け、8x+12y=8・・・①’’、9x-12y=60・・・②’’とし、「y」に注目します。
  2. 2つの式を足し算すると、x=4という解を得ます。
  3. x=4を①’に代入すると、y=-2という解を得ます。

(2)1/2x+1/2y=1・・・①,3/5x+2/5y=3/5・・・②
①に2,②に5をそれぞれ掛けると、x+y=2・・・①’、3x+2y=3・・・②’となります。加減法で解いていきましょう。

  1. ①’と②’の係数が異なるので、①’に2を掛け2x+2y=4・・・①’’とし、「y」に注目します。
  2. 2つの式を引き算すると、x=-1という解を得ます。
  3. x=-1を①’に代入すると、y=3という解を得ます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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