【公民】仕事とはたらく環境

前回は企業とは何かについて学んでいきました。

今回は、日本に住む人々の働く権利や労働環境の変化について解説していきたいと思います。

目次

労働者・資本家

労働者とは、資本家に雇われて、労働を対価にお金を貰う人の事です。国民の生産年齢人口(15-64歳)から学生を除いた大半の人が、労働者という分類に属します。(サラリーマンというのは典型的な労働者です。)

そんな労働者を雇うのは、上にも書いたように資本家(お金を持っている人)です。彼らは持っているお金を増やすために、そのお金の一部をモノやサービスに変え、それを売ることによってさらに多くのお金を得たいと考えます。この時、お金をモノやサービスに変える為に人手が必要なので、労働者を雇っているのです。

労働者と資本家の関係

労働者はお金を得るために働いているので、資本家は労働者に対して賃金を払わなければいけません。資本家からすれば、モノやサービスを作るのに必要以上にお金を掛けたくないので、労働者に払う賃金も少ない方がいいと考えるはずです。また、お金を払うのだから、なるべく長い時間働いてもらおうと考えます(長い時間働いてもらった方が、時間当たりの賃金は減るからです)。

少し歴史の話をすると、労働者と資本家という関係が最初にイギリスに出来た時には、資本家は労働者をギリギリ生きていける賃金でめちゃくちゃ長時間働かせました。労働者はボロボロになるまで働かされ、働けなくなるとクビにされました。新しい元気な人を雇って、またボロボロになるまで働かせればいいと考えたわけです。

これではあまりにも労働者の立場が悪すぎます。そこで国は「資本家>>>>労働者」という力関係を改善するために、労働者の権利を保証する様々な法律を作っていきました。

しばらくして日本にも「労働者と資本家」という関係が本格的に入ってくることになりますが、それ以降、労働者の権利を守るための様々な法律が制定されていきました。

労働三権

労働三権とは、労働基本権と呼ばれているもので、憲法で示されています。
その内容とは、

  1. 団結権
  2. 団体交渉権
  3. 団体行動権

の3つとなっており、労働者が雇用者(資本家)に対して待遇(仕事の環境や賃金、時間)の改善を求める為の内容が定められています。

それでは、これらを掘り下げていきましょう。

団結権・団体交渉権

団結権とは、労働者が労働組合を作る権利です。労働組合とは、同じ雇用者(資本家)の下で働く労働者たちが集まってつくる団体です。なぜこのようなものを作ることを権利として定められているのかを考えてみましょう。

もし労働者が少人数で雇用者(資本家)に対して労働条件の改善を訴えたとしても、雇用者(資本家)からすれば「ここで働くのが嫌なら辞めればいい」と思います。大きい組織ならそれこそ人が一人減ったところで大きなダメージとはならないからです。

労働者からしても、訴えたことによって雇用者から悪い印象を持たれたら働きづらくなります。力関係はお金を与える側の雇用者(資本家)の方が強いです。

では、次のような状況ではどうでしょうか。

労働者が労働組合を結成して、雇用者(資本家)に対して訴えたとします。雇用者側からすると「これだけの人数にもし辞められるようなことになったら、会社が回らなくなってしまう…」「交渉をするか…」
となります。労働者個人の力では雇用者(資本家)に敵わなくても、集団となれば対等に戦う事ができるのです。

このようにして、雇用者(資本家)と労働組合が労働条件などについて交渉し、約束を交わすことが出来る権利を団体交渉権といいます。

団体行動権

団体行動権とは、労働条件を改善するために「みんなで仕事を休む」ことで雇用者に対して抗議する権利の事です。
労働者が集まると雇用者(資本家)と対等になれるだろうという事を上の説明で理解いただけたと思います。とはいえ、雇用者(資本家)の権利は強いことには変わりなく、交渉が上手くいかないこともあり得ます。
その場合に、労働者(労働組合)は計画的に「仕事を休む」という手段を取ることが出来ます。
これも一人でやったらただのサボりになってしまうのですが、大人数で計画的に仕事を休むと、会社そのものが回らなくなってしまうので、雇用者(資本家)に対してダメージを与えることが出来ます。仕事をしてもらう為に、雇用者(資本家)は労働者の求めている内容を受け入れることがあります。

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労働三法

労働者の権利や労働条件等について定めた法律である、

  1. 労働基準法
  2. 労働組合法
  3. 労働関係調整法

の3つをまとめて労働三法(ろうどうさんぽう)とよびます。
これら3つの法律について掘り下げて解説していきます。

労働基準法

労働基準法とは、労働者の労働条件の最低基準を定めた法律です。この法律によって、労働者が過労になったり、生活することが出来ないほどの低賃金で働いたりすることを抑制する為に定められています。

具体的な例をいくつか挙げると、

  • 最低賃金(時間当たりに最低限支払わなければいけない賃金)を下回ってはいけない
  • 労働時間は原則1日8時間、週40時間を超えてはいけない
  • 年次休暇(有給休暇)を与える
  • 残業・休日には割増賃金を与える
  • 労働時間に応じて休憩を与える

等です。他にも多くあります。
これらは正社員だけでなく、すべての労働者に対して適用されます。

労働組合法

労働組合法とは、労働者が雇用者(労働者を雇う人)に対して雇用条件や賃金を良くするように求める為に必要な権利等が定められています。
労働三権で説明した内容を法律としてより詳細に決めたものという理解で大丈夫です。

労働関係調整法

労働関係調整法とは、労働者と雇用者(資本家)の間の労働条件をめぐる争いについて、それを解決するための手続きを定めた法律です。基本的には労働者と雇用者(資本家)の間で完結すればいいものの、らちが明かなくなってしまった際の方法について決まっているものです。
詳しい内容についてはここで覚える必要はありませんが、法律の名前だけは覚えておきましょう。

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日本の労働と変化

終身雇用と年功序列

日本の労働環境で特徴的なものが終身雇用年功序列です。これらは日本が戦後の壊滅的状態から成長していく為に最適な制度で、現在も残っています。これらについて説明していきましょう。

終身雇用とは、働き始めた会社に定年(雇い止めになると決まった年齢)になるまで働き続ける事を前提とした雇い方のことです。そして、年齢が上がっていくごとに様々な役職についていき、給料が上がっていくという制度年功序列といいます。給料を上げるのに能力が関係ないという事です。

これによって、日本の労働者はちゃんと一つの会社で働き続けさえすれば、給料の上昇も約束され、安定した将来像が描ける、というメリットを受けることが出来ました。もちろんデメリットもあり、仕事がいくらできてもすぐ昇進できるわけではないという点があります。仕事が出来る人からしたらたまったものではありませんので、自分を高く見積もってくれる会社に移動したり、起業したりするしかありませんでした。

グローバリズムと能力主義・成果主義

このような労働環境はグローバリズムによって変わりつつあります。海外で主流な考え方は能力主義、成果主義というものです。これらは「仕事の成果が直接自分の評価になる」という考え方です。仕事が出来る人はどんどん役職と給料を上げていき、仕事が出来ない人は給料が下がったりクビになったりするというものです。

これによって、海外の会社などは優秀な人を集めて急成長し、やがて世界的な企業になっていきました。日本の働き方では会社としてのレベルは平均的にならざるを得ないので、残念なことに世界的な企業に負けてしまっています。

そのような現状から、最近は終身雇用をしないことを明言したり、成果主義を採用したりする会社も増えてきています。

ワークライフバランス

元来の日本では「労働者は仕事をすればするほど良い」という風潮が主流でした。なので、多くの労働者は残業や休日出勤などをして一生懸命働きました。

ところが、最近はその考えが変わってきています。仕事とプライベートをどちらも充実させようという考え方です。それをワークライフバランスといいます。ワーク(仕事)とライフ(人生)のバランスをとろう、ということです。

ワークライフバランスが言われるようになってから、残業や休日出勤などが以前に比べて厳しく制限されるようになったり、育児休暇(育休)や産前産後休業(産休)が取りやすくなったりしました。

女性の労働環境

以前の日本では
「夫は外で働きお金を稼ぎ家庭を支える、妻は家で子どもを育て家事をすることで夫を支える」
という考えがありました。しかし、男女平等が広く言われるようになってからは、女性も男性と同じように社会参加できるように男女雇用機会均等法(だんじょこようきかいきんとうほう)が制定されました。これによって、

  • 採用、昇進、福利厚生、退職の際に男女を判断基準にしてはいけない
  • 結婚、妊娠、出産などを理由にした不当な扱いをしてはいけない

といった事が定められました。

しかし、社会の風潮としては依然として上記の事はあまり認められませんでした。

その流れは近年変わりつつあります。男女共同参画社会(社会での男女平等を目指す社会)やワークライフバランスの考えが社会に浸透したことにより、現在では育休や産休がかなり取りやすくなってきていたり、役職につく女性が増えてきたりしています。

正規雇用と非正規雇用

労働者には2つの大きな分類があり、会社と正式に雇用契約を結びフルタイムで働く正規社員と、短時間や短期間など条件が定められた非正規社員があります。

正規社員には会社からあらゆる福利厚生(働きやすい環境や権利を与えるもの)や、理由なく解雇されないことが保証されます。一方で、非正規社員にはこれらが無く(福利厚生はある場合がある)、雇用の安定性がありません。

さらに、正規社員と非正規社員には大きな賃金の差があります(正規社員の方が多いです)。これらによる労働格差が広がってきているのが、労働問題の一つです。

外国人労働者

海外(主に東南アジア)から日本に人がやってきて、非正規社員(アルバイト・派遣)などの仕事をする例が増えてきています。

雇う側からすると、日本人だとあまり就きたいと思えない仕事でも外国人なら就いてくれることはメリットです。また、外国人からしても、各々の国々で働くよりも収入が良いというのはメリットとなっている部分はあります。

外国人から来た人はいつか正規社員として働きたいという希望を持って日本に来ているのですが、現在の不安定な雇用条件から抜け出せる人はほとんどいないのが実情です。

この先日本の人口が減ることが確定している為に、今後どんどん海外から人がやってくることが予想されます。

この記事を書いた人

家庭教師のやる気アシスト編集部

家庭教師のやる気アシスト編集部は小・中・高校生のお子さんを持つスタッフばかり。わが子の勉強に悩む当事者として、勉強のコツや不安など当事者の目線で記事にしています。
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