東京都の2024年3月実施の令和6年度（2024年度）入学者の公立高校入試問題の解説をしています。
受験勉強において、過去問を解くことはとても効果的な勉強法です。ぜひ、受験までに一度挑戦し、問題の傾向を掴んでおきましょう。合わせて、対策などをたてられるととても良いですね。
また、過去問で苦手な点が見つかった場合は、そこを中心に試験日当日までにしっかりと対策しておきましょう。

大問1

問題文

次の各文の傍線部を付けた漢字の読みがなを書け。
（1）花瓶に挿した一輪のバラを部屋に飾る
（2）主張の根拠を明確にして意見文を書く。
（3）カメラを三脚に据えて記念写真を撮影する。
（4）歴史的に価値のある土器が展覧会に陳列される。
（5）絵本を読み幼い頃の純粋な気持ちを思い出した。

解答・解説

（1）さ
（2）こんきょ
（3）す
（4）ちんれつ
（5）じゅんすい

大問2

問題文

次の各文の傍線部を付けたかたかなの部分に当たる漢字を楷書で書け。
（1）大正時代に建設されたレンガ造りのヨウカンを訪ねる。
（2）心を込めてソダてたトマトが赤く色付く。
（3）ホテルのキャクシツへ自分の荷物を運ぶ。
（4）駅前のバイテンで温かい飲み物を買う。
（5）満開のサクラを眺めながら公園を歩く。

解答・解説

（1）洋館
（2）育（てた）
（3）客室
（4）売店
（5）桜

大問3　

著作権者への配慮から現時点で掲載がされておりません。

大問4　

〔注〕 利他行動―― 自己を犠牲にして、他の個体に利益を与える行動。

（問１）(1)今こうやって描写したのが、三項表象の理解である。とはどういうことか。次のうちから最も適切なものを選べ。

ア　子どものさす方向をおとなが見て子どもに話しかけることは、「外界」に関する子どもの心的表象を理解することだということ。
イ　子どものさす方向をおとなが見て子どもの興味を理解することは、子どもと同じ「外界」に関する心的表象を持つことだということ。
ウ　子どものさす方向をおとなが見て子どもと同じような興味を持つことは、互いに同じ「外界」を見ていたことの結果だということ。
エ　子どものさす方向をおとなが見て子どもと顔を見合わせることは、「外界」に関する心的表象の共有を理解し合うことだということ

（問２）この文章の構成における第十一段の役割を説明したものとして最も適切なのは、次のうちではどれか。

ア　それまでに述べてきたヒトの認知能力の特徴について、言語の側面から新たな視点を提示することで、論の展開を図っている。
イ　それまでに述べてきたヒトの認知能力の特徴について、チンパンジーとの共通点を挙げることで、論の妥当性を主張している。
ウ　それまでに述べてきたヒトの認知能力の特徴について、チンパンジーの事例に即して仮説を立てることで、論の検証をしている。
エ　それまでに述べてきたヒトの認知能力の特徴について、様々な議論の内容を要約して紹介することで、論をわかりやすくしている

（問３）（２)チンパンジーが時代を超えて蓄積されていく文化を持っていないのは、このためだろう。とあるが、筆者がこのように述べた
のはなぜか。次のうちから最も適切なものを選べ。

ア　チンパンジーは世界に対してかなりの程度の理解を持っているが、世界を描写する言葉を覚えることはないと筆者は考えているから。
イ　チンパンジーは言語訓練によって任意の記号を覚えるが、さらなる意味を生み出す文法規則は習得しないと筆者は考えているから。
ウ　チンパンジーは高度な認知能力を持っているが、世界を描写して他者と互いの思いを共有しようとしないと筆者は考えているから。
エ　チンパンジーは狩りをするなどの共同作業はできるが、他者が何をしているかを推測することはできないと筆者は考えているから

（問４）（３）しかし、本質的に、それは共同幻想なのだろう。とあるが、筆者がこのように述べたのはなぜか。次のうちから最も適切な
ものを選べ。

ア　人々は言語を使って共同作業を行わねばならないと思っているが、実際には表情などでも意思疎通ができると筆者は考えているから。
イ　人々は公的表象が共同作業でうまく機能していると思っているが、実際には各個人の表象に微妙な違いがあると筆者は考えているから。
ウ　人々は人の心が計り知れないものだと思っているが、実際には他者が自分の心を察することを期待していると筆者は考えているから。
エ　人々は共同作業がうまくいっていると思っているが、実際には誤解や恨みなどが生じて社会は動いていないと筆者は考えているから。

（問５）国語の授業でこの文章を読んだ後、「互いの思いを一致させること」というテーマで自分の意見を発表することになった。こ
のときにあなたが話す言葉を具体的な体験や見聞も含めて二百字以内で書け。なお、書き出しや改行の際の空欄、ややなどもそれぞれ字数に数えよ。

解答・解説

（問１）エ
少し難問です。「三項表象」＝「「私」と「あなた」と「外界」という3つがあり、～「外界」に関する心的表象を共有していることを理解し合う」という（第六段落）の論旨を理解することが大切です。
ア：子供の心的表象を理解するが不適。理解ではなく、共有すること。また、子供が興味を持った発端が記述されていない。
イ：子供と同じ「外界」に関する心的表象を持つ。だけでは不十分。共有までで正解。惜しい選択肢です。
ウ：同じような興味をもつわけではありません。全体的に不適です。

（問２）ア
「そこで」という文頭の表現がキーポイントです。この表現は今までの論から流れを変えたり、付け加えたりするときに用います。
イ：チンパンジーとの共通点が不適です。
ウ：仮説を立てるが不適です。
エ：様々な議論の内容を～など、全体的に不適です。

（問３）ウ
チンパンジーは「三項表象」の理解がないということがポイントです。問１より続くテーマを理解させる、なかなかに良問です。
ア：世界を描写する言葉を覚えないが不適です。
イ：文法規則は習得しないが不適です。第十一段にあるように、『別に話したいと思わない』というのがポイントです。

（問４）イ
新たに出てきた「公的表象」と「個人的表象」の論理関係を理解することが大切です。
「個人的表象」は一致することはないのに「公的表象」によって、他人の「個人的表象」を推測するということが筆者のいう「共同幻想」ということです。
ア：内容自体は間違っていませんが、理由にはなっていません。
ウ：少し論旨がずれています。惜しい選択肢です。
エ：こちらも内容自体は間違っていませんが、論旨がかなりずれています。

（問５）回答略

大問5　

次のＡは、和歌に関する対談の一部であり、Ｂは、対談中に出てくる鴨長明(かものちょうめい)が書いた「無名抄(むみょうしょう)」について書かれた文章である。また、Ｃは、無名抄の原文であり、□内の文章はその現代語訳である。
これらの文章を読んで、あとの各問に答えよ。（＊印の付いている言葉には、本文のあとに〔注〕がある。）

（問１）Ａでは、(1)ええ、当座に出された題に応じてちょっと手直ししてその場に出すらしい。とあり、Ｂでは、(4)頼政が歌会で名をあげた名歌は多く「擬作」つまり、あらかじめ準備し、練りととのえた歌であったということである。とあるが、Ａ及びＢで述べられた、歌会における頼政の歌の示し方の特徴を説明したものとして最も適切なのは、次のうちではどれか。

ア　頼政は、生の感情を整理して言葉にしておき、歌会で出された題に合わせて技法を駆使して即座に和歌にできるようにしている。
イ　頼政は、複数の歌を事前に備えておき、歌会ではそのまま出したり題にふさわしい表現に置き換えて出したりするようにしている。
ウ　頼政は、事前に歌を用意しておき、歌会で修正する必要が生じた際に変更すべき部分をあらかじめ想定しておくようにしている。
エ　頼政は、歌会の前に相談した歌人の先輩から譲り受けた歌を、歌会で提示された題に合わせて作りかえるようにしている。

（問2）(2)短歌の場合もそういうのはあるのではないですか。とあるが、ここでいう「短歌の場合もそういうのはある」を説明したものとして最も適切なのは、次のうちではどれか。

ア　感情を適切に表現する言葉は、作りかけた歌をできるだけ長い間寝かせておくことでしか得ることができないということ。
イ　感情を適切に表現した歌を完成させるには、ふさわしい言葉を納得するまで集中して考え続けることが大切であるということ。
ウ　感情を十分に表現しきれていない未完成の歌であっても、寝かせておくことで適切な言葉が得られることがあるということ。
エ　感情を十分に表現できたと思う歌の場合でも、長い間寝かせることで適切かどうかを改めて吟味する必要があるということ。

（問3）(3)俵さんの発言のこの対談における役割を説明したものとして最も適切なものは、次のうちではどれか。

ア　直前の久保田さんの発言を受けて、作歌の準備について久保田さんとの共通理解を図ろうとしている。
イ　直前の久保田さんの発言を受けて、作歌をする上での自分の体験談を紹介することで話題を広げようとしている。
ウ　直前の久保田さんの発言を受けて、作歌に関する久保田さんとは反対の意見を述べることで話題を転換しようとしている。
エ　直前の久保田さんの発言を受けて、作歌について自説を述べることで新たな問題を提起しようとしている。

（問4）責任はとあるが、Ｃの原文において「責任は」に相当する部分はどこか。次のうちから最も適切なものを選べ。

ア　計ひを
イ　是を
ウ　後の
エ　咎をば

（問5）Ｃの中のを付けたア〜エの「が」のうち、他と意味・用法の異なるものを一つ選び、記号で答えよ。

解答・解説

（問１）イ
ア：生の感情を整理して言葉にしておきが不適です。
ウ：修正する必要が生じた際に変更が不適です。
エ：全体的に不適です。

（問２）ウ
解説者なりに考察すると、例えるならば、作りかけのジグソーパズルがたくさんあり、ふとした時に今まではまらなかったピースが突然はまるという感じだと思います。
ア：長い間寝かせておくことでしか得ることができないが不適です。
イ：集中して考え続けるが不適です。
エ：全体的に不適です。

（問３）ア
イ：自分の体験談を紹介するが不適です。
ウ：反対の意見を述べるが不適です。
エ：新たな問題を提起しようとしているが不適です。

（問４）エ
咎とは他人が非難するのももっともな、欠点・過ち、けしからぬ行いという意味の言葉です。
責任はあなたにありますよと言ったことに起因します。

（問５）イ
イ以外は主語の後につづく助詞としての「が」です。

 東京都のその他の過去問を見る

志望校に合わせた受験対策なら、やる気アシストにお任せ下さい！

家庭教師のやる気アシストは、東京都にお住まいの受験生のお子さんを毎年たくさん指導をさせてていただき、合格に導いています。

高い合格率の秘訣は、指導経験豊富な先生の指導力に加え、1対1の指導でお子さん一人ひとりの状況に合わせた、お子さんだけのカリキュラムで勉強が進められるから！
家庭教師のやる気アシストは、お子さんの志望校合格まで全力でサポートさせて頂きます！

 アシストの受験対策をもっとみる

アシストの指導方法がじっくり見れる！知れる！無料の体験授業実施中

お子さんにとって「成果が出る勉強法」ってどんな勉強法だと思いますか？
お子さんそれぞれに、個性や性格、学力の差もあります。そんな十人十色のお子さん全員に合う勉強法ってなかなかないんです。
たからこそ、受験生の今だけでもお子さんだけの勉強法で受験を乗り越えてみませんか？

やる気アシストには、決まったカリキュラムはありません。お子さんの希望や学力、得意や不得意に合わせて、お子さんだけのカリキュラムで指導を行っていきます。また、勉強法もお子さんそれぞれに合う合わないがあります。無料体験授業では、お子さんの性格や生活スタイルを見せていただき、お子さんにとって効率的な成果の出る勉強のやり方をご提案させて頂きます。