【理科】日本の気象 ~4つの気団と四季・梅雨の関係性~

こんにちは。今回は「日本の気象」について学んでいきたいと思います。

 

普段天気予報は見ますか?

見ないと答えた方も、日本には四季があり、時期によって気温だけでなく湿度や雨量が異なることは体感しているでしょう。

なぜそのような気象の違いが生まれるのでしょうか?

今回の記事では、その謎を「4つの気団」に注目して説明していきます!

 

目次

1.気団って?

気団とは、気温・湿度がほぼ一様の空気のかたまりです。

日本の周りには気団が4つあります。

日本地図に十字に区切り、見ていくことができます。

 

まず、南北を分ける線に注目すると、南は暖かいので空気が温暖であるのに対して、北は空気が寒冷です。

次に、東西に分ける線に注目すると、西は空気が乾燥しているのに対して、東は空気が湿潤です。

理由についても説明しておきます。日本の西側は中国大陸があり、海がないため空気は乾燥するのです。

一方、日本の東側は太平洋があるため空気に水がたくさんあり、湿った空気となります。これを湿潤と表現しています。

 

このように、「温暖か寒冷か」という視点と、「乾燥か湿潤か」という視点の2つで、気団を4種類に分けることができます。

このような特徴がそれぞれ異なる気団4つが日本を囲んでいます。

まとめると以下の表のようになっています。(※北を上とする日本地図における位置)

 

気団名 位置 温暖or寒冷 乾燥or湿潤
シベリア気団 北西(※左上)

寒冷

乾燥
オホーツク海気団 北東(※右上) 寒冷 湿潤
小笠原気団 南東(※右下) 温暖 湿潤
揚子江気団 南西(※左下) 温暖 湿潤

 では、これら一つ一つの気団について、詳細を見ていきましょう!

 

今回の記事では、特にに注目します。

冬の空気に一番近い特徴を持つ気団は分かりますか?

冬は空気が冷たく、乾燥していますよね。

つまり、シベリア気団が最も影響します。

では、冬に発達するシベリア気団について学習していきましょう!


2.シベリア気団

 

シベリア気団は、日本の北西に位置する気団で、に発達します。

空気の特徴は、寒冷・乾燥です。

ではまず、気圧配置についてみていきましょう。

 

「気団は必ず高気圧だ」ということを絶対に覚えていてください。

すると、北西にあるシベリア気団は高気圧となり、東側が低気圧です。

つまり、冬の気圧配置は、西高東低です。

また、季節ごとに吹く季節風は、必ず高気圧から低気圧に向かって吹きます。

 

まとめると、北西からシベリア気団の高気圧から冷たく乾燥した風が吹きます。

 

【冬】

  • シベリア気団
  • 寒冷・乾燥
  • 気圧配置:西高東低
  • 風向き:北西の風(北よりの風、北風とも言う)
  • 日本海側:雨、雪
  • 太平洋側:晴れ

3.小笠原気団

次は、小笠原気団です。

 そんな季節や天気になるのでしょうか?

 

小笠原気団南東にあり、温暖・湿潤でしたよね。

このような季節はです。

 

では、気圧配置はどうなっているのでしょうか?

前述のとおり、気団は高気圧なので、南東にある小笠原気団が高気圧です。

高気圧の中心が南側にあるので、北側には必ず低気圧の中心が来ます。

つまり、夏の気圧配置は、南高北低になることがおおいです。

季節風は高気圧から低気圧に吹くので、南東の風が吹いています。

 

夏の特徴はもう一つありましたね。

それは台風です。

台風のルートは必ず決まっており、季節風に乗って日本側にやってきます。

その後、偏西風という日本上空のとても強い風によって、日本に近づいてきます。

偏西風は西から東に吹く風です。

この風によって、台風は日本に激突するルートをたどることが多く、毎年多くの台風がきます。

 

【夏】

  • 小笠原気団
  • 温暖・湿潤
  • 気圧配置:何高北低
  • 風向き:南東の風(南よりの風とも言う)
  • 台風(季節風と偏西風によって夏の終わりに日本に直撃)
  • 高温多湿
  • 積乱雲(入道雲)

4.オホーツク海気団

次は、オホーツク海気団が日本上空を覆った時の天気について注目しましょう。

オホーツク海気団は、寒冷・湿潤です。

オホーツク海は北海道よりも北にあり、とても寒いです。

また、名前通り海なので、空気は水をたっぷり含みます

 

また、オホーツク海が日本に来ると、温暖小笠原気団もやってきます。

そして、その2つの気団はぶつかります。

このように冷たい空気と暖かい空気がぶつかり合うと何ができるのでしょうか?

日本上空に前線ができます。

この前線が、停滞前線と呼ばれるものです。

ニュースでは梅雨前線と呼ばれているものです。

したがって、オホーツク海気団は梅雨の時期に発達して日本に来て、小笠原気団とともに停滞前線(梅雨前線)ができます。

 

時期でいうと、梅雨は、5月下旬~7月の半ばぐらいです。

この時期に雨がたくさん降るのは、このような気団のぶつかり合いが起きているのです。

その後、7月下旬以降は、小笠原気団が勢いを増すため、オホーツク海気団や停滞前線をどこかに追い出します。

 

【梅雨】

  • オホーツク海気団
  • 寒冷・湿潤
  • 停滞前線(オホーツク海気団と小笠原気団によって)
  • 多雨

5.揚子江気団

4つの気団、最後は揚子江気団です。

この気団は、温暖・乾燥でしたよね。

 日本に来るのは、春・秋です。

 

気団は高気圧のことですが、揚子江気団は特徴的な気団で、なんと、分かれることができます。

分かれた高気圧が偏西風(西から東に吹く)にのって、日本にきます。

そして、高気圧と高気圧の間は絶対低気圧になります。

つまり、分かれた高気圧の間にすべて低気圧ができ、高気圧と低気圧が横並びする気圧配置となります。

このように移動する高気圧のことを移動性高気圧といいます。

 

基本的に、高気圧は晴れの日が多く、低気圧は天気の悪い日が多いです。

そのため、春・秋は天気が良い日と悪い日が順番に来ます。

ことわざで「三寒四温」という言葉があるのもそのためです。

3日間寒い日が続くと、その後の4日間は暖かい日が続くように天気が変わるという意味です。

 

春や秋に他にどのような影響があるでしょうか?

特徴的なものに中国大陸からくる黄砂が挙げられます。

 

【春・秋】

  • 揚子江気団
  • 温暖・乾燥
  • 移動性高気圧(揚子江気団から分かれて移動する高気圧)
  • 晴れ→雨→晴れ→雨 と天気が4~6日周期で変化

6.自然の恵みと自然災害

これまで、気団と気象や季節について説明してきました。

最後に、日本の気象について恵みや災害の視点から補足していきます。

 

まず、日本は雨の量が多いか少ないかわかりますか?

日本は世界的に見ても雨の量が多い地域です。

日本の東側には太平洋があり、西側にはユーラシア大陸があります。

そのため、日本は低気圧・前線・台風の通り道になっています。

これが雨の量が多い理由です。

 

そして、日本には4つの季節 四季があります。

春には草や木がきれいな色になりますし、夏や冬にはそれぞれ独特の美しさがあります。

これも恵みの一つと言えるでしょう。

では、先に恵みについてまとめていきます。

もちろん恵みだけでなく、災害も起こすのが自然ですので、後から自然災害についても説明してきます。

 

 

【日本の気象による恵み】

  • 豊かな森林
  • 美しい自然の景観
  • 冬に大量に降る雪→飲料水、農業用水

 

【日本の気象による災害】

  • 台風
  • 豪雨
  • 土砂崩れ
  • 洪水
  • 浸水
  • 停電

 

身を守るために…

  • ダム・堤防(←大雨・洪水・土砂崩れ)
  • 特別警報・警報・注意報、避難勧告・避難指示(←大雨・暴風・高潮・洪水)
  • ハザードマップ(被害予測地図)

 

こんなふうに自然は恵みとも災害ともなります。

そして、日本の場合、それには四季や気団が大きく関係しています。

目に見えないので難しいですが、仕組みを理解することで暗記量を減らすことができますよ!

最後までお読みいただきありがとうございました。

他にも様々なお役立ち情報をご紹介しているので、ぜひご参考にしてください。

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