皆さん、『古今和歌集』『新古今和歌集』はご存知でしょうか?
とても有名ですよね!
今回は、その和歌集の基本情報や重要語句を、和歌の現代語訳とともに解説します!
和歌に慣れて、その面白さを知れますよ!
さて早速ですが、まずは『古今和歌集』について見ていきましょう!
有名人物の紀貫之についても軽く説明します!
紀貫之(きのつらゆき)
では、実際に和歌を見ていきましょう!
いくつか和歌を紹介していきます!
まずは、有名な紀貫之です!
初瀬に詣づるごとに、宿りける人の家に、
久しく宿らで、程経てのちに、いたりければ、
かの家のあるじ、
「かくさだかになむ宿りはある」
と、言ひいだして侍りければ、
そこにたてりける梅の花を折りてよめる
紀貫之
人はいさ
心も知らず
ふるさとは
花ぞ昔の
香ににほひける
長谷寺にお参りするごとに泊まっていた人の家に、
しばらく泊まらず、時間が経った後で、行ってみると、
この家の主人が、
「このように(昔のように)ちゃんと宿はあるよ」
と、言ってよこしたので、
そこに立っていた梅の木の花を折って詠んだ
紀貫之
人(の場合)は、さあどうでしょう、
心もわかりませんが。
なじみのあるこの場所は、
花が昔と変わらず同じように
かおっていますね
この和歌では「係り結び」が使われていたことに気づきましたか?
「花ぞ」の「ぞ」が係助詞で、「ける」という連体形に変わっています。
【ポイント②】 二句切れ
この和歌は途中で区切るとしたら、二句目のところで切れます。
これを「二句切れ」といいます。
今回は「心も知らず」で終わっています。
秋来ぬと
目にはさやかに
見えねども
風の音にぞ
驚かれぬる
秋が来たと、
目にははっきりと
見えないけれど、
風の音に
はっと気付かされた。
この和歌でも「係り結び」が使われていたことに気づきましたか?
「風の音にぞ」の「ぞ」が係助詞で、「ぬる」で終わっています。
【ポイント②】 三句切れ
この和歌は途中で区切るとしたら、三句目のところで切れます。
これを「三句切れ」といいます。
今回は「見えねども」で終わっています。
思ひつつ
寝ればや人の
見えつらむ
夢と知りせば
覚めざらましを
(あなたを)思いながら
寝たから、あなたが
(夢で)見えたのだろう。
夢と知っていたならば、
目覚めなかったのに
この歌の係り結びは、「寝ればや」の「や」が係助詞で、「らむ」が連体形になっています。
山里は
冬ぞさびしさ
まさりける
人目も草も
かれぬと思へば
山の中の里は
冬にさびしさが
多くなるんだよ。
人の出入りも、植物も、
「かれた」と思うから。
「冬ぞさびしさ」の「ぞ」が係助詞で、「ける」という連体形で終わっています。
【ポイント②】 三句切れ
この和歌は途中で区切るとしたら、三句目のところで切れます。
これを「三句切れ」といいます。
今回は「まさりける」で終わっています。
【ポイント③】 掛詞
掛詞は、1つの単語に2つの意味を持たせる和歌の修辞法でしたね。
「かれ」は2つの意味を持っています。
①人目がかれる(人が来るのが少なくなる)
②植物がかれる(植物が枯れる)
をかけています。
人目がかれるの「かれ」は「離れる」という漢字をあてることができます。
次は、『新古今和歌集』について見ていきましょう!
編者の一人である藤原定家についても軽く説明します!
藤原定家(ていか/さだいえ)
では、実際に和歌を見ていきましょう!
では、古今和歌集との違いに注目しながら、和歌を見てきましょう!
道の辺に
清水流るる
柳かげ
しばしとてこそ
立ち止まりつれ
道のそばに
きれいな水が流れている
柳の木のかげで、
「少しだけ」と言って
立ち止まった
「しばしとてこそ」の「こそ」が係助詞で、「つれ」という已然形の文末で終わっています。
見わたせば
花も紅葉も
なかりけり
浦の苫屋の
秋の夕暮れ
辺りを見渡してみると
(春のような)桜も(秋のような)紅葉も
なかった。
海辺の苫屋だけが見える
そんな秋の夕暮れだ。
秋の寂しさを詠んだ和歌です。
これは実際に作者の藤原定家が海にいるわけではなく、その場面を頭の中で想像して詠んでいます。
玉の緒よ
絶えなば絶えね
ながらへば
忍ぶることの
弱りもぞする
私の命よ、
終わるなら終わってしまえ。
長く生きてしまうと、
隠している我慢強さが
弱ってしまうから。
「弱りもぞ」の「ぞ」が係助詞で、「する」という連体形の文末で終わっています。
【ポイント②】 二句切れ
この和歌は途中で区切るとしたら、三句目のところで切れます。
これを「三句切れ」といいます。
今回は「まさりける」で終わっています。
今回はたくさんの和歌を紹介しました!
込められた思いや、情景、季節、修辞法などを意識して詠みましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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